「Jotti's malware scan」は、手持ちのファイルがマルウェアに感染していないか、チェックしてくれるサービスだ。ユーザーがアップロードしたファイルを複数のスキャンエンジンでチェックし、その結果をわかりやすく表示してくれる。圧縮ファイルなどに対するウイルスの感染などを確認するのに向いている。
オンラインでマルウェアなどの危険性がチェックできるサービスは、利用形態によっていくつかの種類に分けられる。ローカルドライブを対象にスキャンする「Trend Flex Security オンラインスキャン」(2010年12月時点ウイルス駆除には対応していない)のようなサービスのほか、リンク先のサイトが安全かどうかをチェックしてくれる「URLVoid」などがあるが、今回紹介する「Jotti's malware scan」はこれらとは種類が異なり、ユーザーが持っている特定のファイルについて集中的にチェックしてくれるサービスだ。
使い方は簡単で、ローカルにある特定のファイルを指定し、送信ボタンを押すだけ。ファイルのアップロードが完了すると合計19個のスキャンエンジンが起動し、スキャンが始まる。問題がなければ「Found nothing」、問題が検出されれば具体的なマルウェア名が表示されるというわけだ。ファイルの容量は最大で20Mバイトになっているので、たいていのファイルは対応することだろう。
主な用途はメールに添付されてきたファイルのチェックということになるが、送られてくるメールの添付ファイルをこのサービスでひとつずつチェックするのは、手間を考えるとあまり現実的ではない。
むしろ、PC側のアンチウイルスソフトで危険と判定されたファイルを精査するのに有効だろう。つまり、手持ちのアンチウイルスソフトは「黒」と判定されたものの、本当にそうなのか疑わしい場合、誤検出が考えられる場合に、このサービスを使って複数のスキャンエンジンでチェックをし、判断を委ねるという使い道だ。
最近のアンチウイルスソフトでは、実際には特に害がないにもかかわらず「黒」と判定されるケースがある。マルウェアの脅威からユーザーを守るために「疑わしきものはすべて黒」とする考え方は間違ってはいないが、単純に性能が低いことによって安全なファイルまで黒と判定される場合も少なくない。こうした場合に本サービスをセカンドオピニオンとして利用すれば、ファイルの危険度の判断はもとより、アンチウイルスソフトそのものを評価するのに役立つだろう。
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