「Remember The Milk」(RTM)は、海外で高い知名度を持つタスク管理ツールだ。サービス開始が2004年、日本語化されたのも2006年と、同種のサービスの中では老舗にあたり、国内でも多くの愛用者がいることで知られる。
RTMでは複数のリストを作ってタスクを分類し、管理できる。それぞれのタスクには優先度や期日、予測時間、リピートの間隔といった詳細項目のほか、タグを設定してリストを横断して呼び出すこともできる。完了したタスクは選択して「完了」をクリックする。やむを得ず翌日に繰り越すタスクは、同様に選択して「延期」をクリックする。
RTMの売りは、外部サービスとの連携機能が充実していることだ。iCal方式でタスクリストをGoogleカレンダーやiGoogleに表示することができる。各リストは公開することも可能だ。またプラットフォームも多彩で、iPhoneやAndroid用のアプリも用意されており、さまざまな環境で利用できる。
インターフェースについてはややクセがある。例えばタスクの登録については、いったんタスクを登録してから優先度や期日といった詳細項目を改めて設定する必要がある。タスク名入力と詳細入力を行ったり来たりする羽目になるので、ストレスを感じる人もいるだろう。また、タスクを完了扱いにする際、チェックを入れて完了ボタンを押す操作も、チェックだけで完了扱いになる他サービスに比べると二度手間だ。
個人的に使いやすいと感じるのはタスクのリピート設定だ。例えば月に1回行うタスクを登録しておき、完了にチェックを入れると、リストの下部に移動し、締切りが近づくと再びリストの上に上がってくる。つまりモグラ叩きの要領でルーチンのタスクを処理していけるのだ。
ほかのタスク管理サービスにも同様の機能はあるが、当月分を処理するといったん非表示になったり、あるいは完了済みの印が入ったまま同じ位置に残るなど、使い勝手がいまいちなことが多い。その点、このRTMの挙動は理にかなっていると感じられる。多くのユーザーの要望を取り入れつつ進化してきたサービスであることが垣間見える部分だ。
もっとも、タスク管理サービスといえばRTMくらいしか選択肢がなかった時代に比べると、今はGmailのToDoリストやNozbeなど競合サービスも多い。またiPhoneアプリは無料版だと同期できる回数に制限があるなど、有料版への移行を促すための制限もそこそこある。前述のインターフェース面でのクセも含め、ほかのサービスと比較してみて、利用の可否を決めるのがよさそうだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」