「プレゼンテーションZen」の1作目を2009年9月に紹介したが、「デザイン」に焦点を絞った、待望の2作目が出版された。商談の成否が自分のプレゼンテーションにかかっているとすれば、プレゼンテーションの必要がある人は皆、本書でデザインの勉強をするべきだ。
スライドを作成するときには、ついカラフルにしたり、色々な書体を使ってにぎやかに仕上げようとしてしまうことが多いが、それはプレゼンテーションにとってまったくの逆効果だということが、本書の解説でよく分かる。フォントの使い分け、写真の配置、色の組み合わせ、グラフの見せ方、すべてが調和してこそ、成功するプレゼンテーションになるのだ。
本書は、およそデザイナーが基本として学ぶことがすべて網羅されており、たった1冊の中に凝縮されていることが信じられないほどだ。スライドを作るときには、常に手元に置いて参照するのがいい。
唯一残念なのは、日本語の書体とサイズに関する記述がほとんどないこと。元が英語なのだから当然だが。アルファベットと漢字やひらがなとでは、同じ72ポイントでも随分大きさが違って見えるので、本書では英語の書体で示されているサンプル一覧を、日本語のさまざまな書体とサイズの組み合わせで作っておくと、便利だろう。
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