「shared file」は、国産のファイル転送サービスだ。最大50Mバイトまでのファイルをブラウザ経由でアップロード、ダウンロードできるので、メールには添付しづらい大きなファイルを手軽に相手に送ることができる。
ほかのファイル転送サービスと比較した際の「shared file」の大きな特徴は、そのシンプルさにある。サイトにアクセスするとトップページにファイルアップロードのためのフォームが表示されており、ここからすぐにファイルをアップロードできる。ほかのサービスのように会員登録をする必要はない。
ファイルのアップロードが完了するとURLが表示されるので、これをメールの本文に貼りつけて相手に送る。相手は送られてきたURLを表示し、ページ内に書かれたダウンロードURLをクリックしてファイルを入手する。実にシンプルな仕組みだ。あまりにもシンプルすぎて不安であれば、ダウンロードの際にパスワードが要求されるよう設定もできる。
参考までに筆者環境での転送速度を記すと、下図のようになった。速度的なメリットはあまりないと言えるだろう。
サービス名 | アップロード | ダウンロード |
---|---|---|
shared file | 約2分50秒 | 約1分44秒 |
宅ふぁいる便 | 約2分47秒 | 約0分40秒 |
データ便 | 約3分10秒 | 約1分05秒 |
最も、他サービスのように会員登録や相手先のメールアドレスの記入といった手間が不要なぶん、転送開始までの作業時間が短くてすむのはメリットだ。宅ふぁいる便のようにサイト上から相手にメールを発信する仕組みだと、相手に対して「いま宅ふぁいる便でファイルを送りました」と別途メールで知らせる必要があるが、本サービスであればURLを通知するメールに一本化できるので便利だ。
このほか、ブラウザを経由せず、Windowsのコンテクストメニューの「送る」から直接アップロードするためのユーティリティが用意されているのも面白い。いちいち本サービスのトップページを開くことすらわずらわしいという場合は、このユーティリティを用いてファイルをアップロードするとよいだろう。
ウェブブラウザ経由だとアップロードの進捗がいまいち見えにくいほか、任意で設定できるパスワードの入力ページがSSLでないなど、見直しが必要と思われる箇所もなくはないが、国産でこうしたシンプルなサービスは珍しく、今後の展開に期待が持てる。シンプルに使える転送サービスを探しているユーザーはブックマークに登録しておくとよいだろう。
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