「おくりん坊」は、最大250Mバイトのファイルをクラウド経由で相手に送ることができる、いわゆるファイル転送サービスだ。ブラウザ経由でファイルをアップロードすることで発行されるURLを相手に通知し、ブラウザ経由でダウンロードしてもらうという、オーソドックスなインターフェースを採用しており、同種のサービスとしては老舗の部類に入る。
他サービスと比べた場合の特徴は、インターフェースがシンプルで、かつ自由度が高いことだ。例えばダウンロードURLを相手に通知する際、自分でメールにURLを貼り付けて送ることもできるほか、サイト上から直接メールを送れるなど、利用スタイルに合わせて選べるようになっている。ほかのサービスだとどちらか一方しか選べないため、送る相手や用途によっては不自由さを感じることもある。本サービスの自由度の高さを示していると言えるだろう。
ファイル容量は最大250Mバイト、同時に送れるファイルは1個のみと、昨今のファイル転送サービスからすると容量面でのメリットはあまりないが、アドレス帳機能が用意されていることから、決まった相手に送る場合は入力の手間が省けるなど、機能面で押さえるところはしっかり押さえている印象だ。
ダウンロード完了時のメール通知機能もあるので、ビジネスユースなど、相手が受け取ったことをきっちり確認しなくてはいけない場合も問題なく利用できる。一方で、ダウンロードにパスワードを設定できないのはビジネスユースではマイナスだろう。
実際に使ってみて気になったのはダウンロード回数などの制限。デフォルト値は「1回」に設定されているのだが、ダウンロードボタンを押した回数でカウントされるため、いったん押したあとにキャンセルしてダウンロードが実行されなくとも1回と扱われる。相手が別のPCで開いたり操作を誤ることも考慮して、3回程度に設定しておくのがよさそうだ。またダウンロード日数も最大3日なので、金曜の夜に送った場合、もし相手が週明けの月曜に受け取れないとデータを再送しなければならなくなる。運用面では気をつけたほうがよさそうだ。
さまざまなファイル転送サービスや共有サービスが登場している昨今、他のサービスにない突出した特徴を持っているわけでは決してないが、小回りのきく使い勝手のよさに加え、誰に送っても使い方を質問されることがない分かりやすいインターフェースは、国産サービスならではの隠れたメリットだろう。
ビジネス向けの上位プランも用意されているが、実際に使ってみた限りでは、有料プランに誘導するためにわざと使い勝手を悪くしたり、極端に帯域を絞っているという印象もない。いざという時に代替として使える、使い勝手のよいファイル転送サービスを探しているユーザーは、選択肢の一つとして知っておくとよいだろう。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する