美術出版ネットワークスは12月16日、Android向けの電子書籍ビューワ「dogear(ドッグイヤー)」を発表した。Android マーケットにて無償で提供する。対応OSはAndroid2.2以上となっているが、現時点で利用できる端末はSamsung Galaxy Tabのみ。今後広くタブレット型端末向けにサービスを拡大していく。
dogearは電子書籍や電子雑誌、コミック、写真集などに対応するビューワアプリだ。開発はカヤックが担当した。最大の特徴はTwitterと連動したコミュニティ機能を持つことだ。読者があらかじめTwitterのアカウントを登録しておけば、誌面上の自由な位置に、自身のつぶやきを投稿できるようになる。たとえば紙面上で紹介された店舗について感想を投稿したり、自分の意見を述べたりするといった具合だ。紙面上に投稿されたつぶやきは表示、非表示を切り替えるほか、期間を指定して表示することもできる。
誌面でのつぶやきは、Twitterでもハッシュタグが付いた形で投稿される。「つぶやけばつぶやくほど本の情報が広がる。本自体が宣伝機能を兼ね備える」(美術出版ネットワークス)という。
コンテンツを提供する編集者は、誌面上で読者がつぶやきを自由に投稿できるエリア、編集者だけがつぶやきを投稿できるエリアなどを編集できる。そのため、特集記事の冒頭で誌面に載らない情報を編集者が自らつぶやきとして紹介する、広告上で広告主が最新情報を投稿する、といった使い方もできるのだという。
次期バージョン以降では、誌面上からYouTubeを再生したり、Eコマースに連携したりする機能を実装するほか、つぶやきの数などを確認できる統計機能も提供する予定だ。
現時点でdogear向けに利用できるフォーマットはPDFのみ。ビューワ上ではPDFを元にしたビットマップ画像のレイヤと、つぶやきの位置情報という2つのレイヤを持つ構造となる。後者に関してはオンラインになる度に更新されるため、常に新しいつぶやきを確認できるという。
現時点では、美術出版社のコンテンツのみを試験的に提供しているが、今後は広く電子書籍販売サービスなどでの利用を呼びかける。同社ではコンテンツ売上の10%を手数料として徴収する。「Android向けのビューワは差別化しにくくデファクトスタンダードなものはまだない。dogearは“電子書籍ならでは”の機能が評価されるのでは」(美術出版ネットワークス)
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