グーグルは12月7日、米国で開始した電子書籍販売サービス「Google eBooks」に関する説明会を開催した。同サービスはこれまで「Google Editions」(日本では「Googleエディション」)と語られてきたもの。7月に開催された「第17回 東京国際ブックフェア」では、北米で2010年夏、国内では2010年内に展開すると発表していた。
Googleでは、書籍の全文検索サービス「Google Books」(日本では「Googleブックス」)を展開している。このサービスに向けてパブリックドメインの書籍をスキャンし、パートナープログラムに参加する出版社の書籍を収集している。プログラムに参加するのは70カ国約3万5000社、書籍数では200万冊に上り、「北米では参加していない出版社を探す方が難しい」(グーグル 戦略事業開発本部 ストラテジック パートナー デベロップメント マネージャーの佐藤陽一氏)という。Google Booksではこれらの書籍から、1冊につき、月20%まで本文ページを閲覧できる。
これまで書籍の内容をすべて読む場合、ECサイトを通じて書籍を購入するか、情報を元に実店舗に出かける必要があったが、これを電子書籍として販売するのがGoogle eBooksとなる。
電子書籍はGoogleが運営するオンラインストア「Google eBookstore」(日本からは利用できない)やパートナーのオンライン書店サイトを通じて購入できる。購入した電子書籍はオンラインブックシェルフで管理でき、PCのブラウザで閲覧するほか、Andorid端末やiPhone、iPad、Barnes&Nobleの「Nook」やソニーの「Reader」などでもアプリケーション経由で閲覧できる。一度ダウンロードした電子書籍はオフラインでも閲覧可能。ただしPCに関しては一部のデータしかキャッシュしないため、今後も機能改善を進めるとしている。
米国でのサービス開始時点では、権利処理の済んだパートナー出版社の書籍数十万冊を含む約300万冊が提供される。出版社が書籍を販売する場合、パートナープログラムに参加した上で、プラットフォームにEPUBやPDFといった形式でデータをアップロードする必要がある。
販売価格はパートナー側が自由に設定できる。「確固たるデータをもとに話せないが、一般的にはエンターテインメント系の書籍は紙より安く、学術よりなものは紙と差額が少ない傾向」(佐藤氏)。Googleへの手数料はパートナーが公開する書籍の数などの条件により異なるが、販売価格の51%以上がパートナーの元に入るという。なおパートナーは出版社に限定しておらず、個人での登録も可能だ。
現時点では日本でサービスを利用できないが、2011年にもサービスを展開する見込み。日本では、縦書きに対応するなど「より日本市場向けにしたサービスを展開していく」(佐藤氏)としている。
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