クエリーアイは12月6日、iPhone/iPadアプリの市場動向を分析できるウェブ分析ツール「QuerySeeker Analyze(クエリーシーカー アナライズ)」を販売開始した。
QuerySeeker Analyzeは、iTunesの1時間毎のランキング情報とTwitterのストリーミング・データから得られた口コミ情報をもとに、2つのデータベースを関連づけて分析できるウェブサービスだ。9月に東京ゲームショウ2010で発表した。
ベータ版の経験をもとに、新たに(1)ランキングデータとTwitterデータのCSVダウンロード機能、(2)国、カテゴリ、別のアプリなど2つのアイテムを対比して見られる機能、(3)最大100個までのブックマーク登録、(4)最大7個までお気に入りを登録し、1画面で同時にグラフが見られる機能──の4つを追加した。
アプリの企画や開発、販売会社に向けた製品で、企画立案や販売促進などに活用できる。他社アプリの動向調査や分析ができるため、売れている競合他社の先行事例を分析して自社プランに応用できる。海外マーケットも分析できるのが強みで、ランキングは7カ国(日本、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン)、Twitterは6言語(日本語、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語)に対応する。
クエリーアイの代表取締役である水野政司氏は、「QuerySeeker Analyzeは、これからiPhoneで儲けたい人に、儲かっている人のことが見られるツール。つねにランキングの1位にいなくても、陰でこっそり儲かっているかもしれない」と話す。
具体的にはどういうことなのか。水野氏は、ある出版社の書籍の例を挙げる。目立つような上位ではないが、あるシリーズものの書籍が30位台から50位台でコンスタントに売れているのだという。分析してみると、発売から1月程度が経過してランキングから落ちてきたところに続編を投入することで、複数のシリーズが再び上位に浮上する傾向にあるという。
「アプリの制作者は、どうしても上の方だけを見てしまいがち。いざトップをとっても『1番だったのに売り上げはこれだけか』と思ってしまう。50位ぐらいのアプリを数本持つ方がいいかもしれない。一番を狙うだけでなく、複数のコンテンツを組み合わせていかに販売していくかがテクニック」。
最近の傾向としては、メディアなどで紹介された後、ランキングに急上昇すると24時間程度で落ち着く傾向にあるという。「急速な販売の伸びは、Twitterの拡散速度に比例している。どうやって知ってもらうか、どうやってバズにのせるか。バズにのった後で、もう一つなにかを加えることで、ランキングが残っているかもしれない。このツールは、高性能レーダであり、うまいミサイルの作り方を考えるためのツール」と水野氏は語る。
「アプリの内容のよさは前提だが、次になにが必要かといったら分析。プロフェッショナルな“飛び道具”を使って、いろいろなことを分析することによって、自社にあったマーケティングプランが立てられる」とアピールした。
価格は、1カ国あたり月額15万5400円で、初期費用が15万5400円。
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