Eコマース大手のAmazon.comは11月に、Wikipediaページのコンテンツを自社のサーバにホスティングし表示するという、比較的に人目につかない新機能を追加した。これはひっそりと始まった新プロジェクトの一環のようだ。「Shopping Enabled Wikipedia Pages」と呼ばれる同プロジェクトは、Wikipediaのコンテンツを複製し、Amazon.comドメインにホスティングするものだが、Amazonで購入可能な書籍についてはリンクを追加した形で表示される。
Amazonの広報担当者、Anya Waring氏は米CNET Newsの電子メールでの取材に応じ、「Shopping Enabled Wikipedia PagesはAmazon.comに新しく導入されている」と認めた。同氏はさらに「11月の時点では書籍のカテゴリで(同機能を)開始したが、2011年には他のカテゴリにも拡大される予定だ」と述べている。
これは公式な提携ではないとWaring氏は説明した。AmazonはWikipediaのコンテンツ使用について、Creative Commonsによるライセンス許諾を受けているが、これはユーザー生成型の百科事典であるWikipediaが自らのコンテンツすべてについて採用している、通常の著作権の代替となるものだ。Shopping Enabled Wikipedia Pagesの下部には次のような説明が記されている。「ここに表示されている記事はWikipediaを出典としている(中略)。Wikipediaコンテンツは『Creative Commons Attribution-ShareAlike License』のバージョン3.0、もしくはそれ以降のバージョンの下で利用が許可されている」
これはどういう意味を持つのだろうか?このプロジェクトが本格展開されれば、WikipediaのページがAmazonの検索結果に表示されるようになるだろう。例えば作家のStieg Larsson氏を検索すると、同氏の著作を購入するためのページへのリンクだけでなく、Amazonがタグ付けしたLarsson氏に関するWikipediaページも表示されるはずだ。
Waring氏は「われわれは常に顧客のために革新的な機能を取り入れる用意があり、多くの顧客がオンラインで調べ物をしているという事実についても注目している」と述べ、「Wikipediaは人々が作家について学び、より深く知ることができる場と言える」と指摘した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス