UPDATE AppleとOracleは米国時間11月12日、これまで長い間Appleが社内プロジェクトとして開発してきた「Java for Mac OS X」をOracleに移管すると発表した。
2010年1月にOracleがSun Microsystemsを買収したことにより、Javaの支配権はJavaサーバソフトウェアなどの製品も取り扱うOracleへと移った。
Oracleへの移管に伴い、Appleは同社が開発したJava環境を、Java開発のためのオープンソースプロジェクトOpenJDKに提供する予定である。「Mac OS X 10.6」(Snow Leopard)と「Mac OS X 10.7」(Lion)向けの現行の「Java Standard Edition 6」はAppleが管理するが、Mac向けの「Java SE 7」はOracleがリリースすると両社は述べた。
この動きは予期されていたものである。Appleは、2010年10月にJava SE 6のアップデート版をリリースした際、Javaの使用を推奨しないとして、これに依存するプログラマーに対し、別の手段への移行を求めていた。
この件についてさらに興味深いのは、Javaの生みの親であるJames Gosling氏が明らかにした過去のいきさつだ。
Appleは、今よりも立場の弱かった時期にJavaを取り入れ、他社と同じく、自社製のコンピュータ上でJavaプログラムを走らせる仮想マシンソフトウェアを提供する責任を引き受けた。
Gosling氏は10月に投稿したブログで次のように述べている。「初めの頃は、Appleも移植を自らの手で行うことにこだわっていたが、その後『Mac OS X』が足場を固め、移植できないプロプライエタリな環境をターゲットにすることを開発者に受け入れてもらえるようになると、自分たちで支配したがるというAppleの基本的な性向がはっきりしてきて、だんだんJavaにエネルギーを注がなくなった」
だが、この話でひときわ興味をそそるのは、AppleがJavaという肩の荷を下ろすことをめぐる議論に伴って浮上してきた問題に関わる部分だ。Gosling氏によると、同社は他者が利用できないアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を採用していたことが明らかになったという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス