角川グループが電子書籍ビジネスに参入する。11月12日に、クラウド型の電子書籍プラットフォーム「BOOK☆WALKER」を発表した。まずは12月中にiPhone/iPad向けにリーダーアプリを公開し、2011年7月のグランドオープンを目指す。
BOOK☆WALKERには、角川書店をはじめ、アスキー・メディアワークスやエンターブレイン、富士見書房など角川グループの出版社10社がコンテンツを提供する。電子書籍に加えて、映像やグッズなどをクロスメディア展開していくという。
さらに、ソーシャルゲームやソーシャルリーディングなどの機能を用意するほか、Twitterやニコニコ動画など、外部のソーシャルメディアとも連携を強化。ビューワは独自に提供するが、ニコニコ動画が2011年4月に提供を予定する「ニコニコビューワ(仮称)」などにもコンテンツを配信して、「ワンコンテンツマルチビューワ」を実現するという。
今後は、角川グループ以外の出版社やコンテンツプロバイダーの参加も募るほか、書店や販売会社と連携したサービスも手がける、「ユニークでオンリーワン、オープンなプラットフォームを作る」(角川コンテンツゲート常務取締役の安本洋一氏)
12月に提供を予定するiPhone/iPadアプリ向けには、文芸、新書、ライトノベル、コミックなど初月100作品の提供を予定する。その後、毎週約20作品を追加していく。大沢在昌氏の最新作「カルテット」などは書籍に先駆けて配信するという。また電子書籍オリジナルの文芸誌、コミック誌も創刊する。2011年4月以降は、PCやAndroid端末にも対応する予定。2011年7月のグランドオープン時には、雑誌や実用書、写真集などジャンルを拡大し、約1000作品を提供するという。
また、人気ライトノベルのキャラクター「涼宮ハルヒ」を使った販促用iPadアプリ「涼宮ハルヒのBOOK☆WALKERナビ」を角川書店とモーションポートレートが提供する予定だ。
会見にはカルテットを執筆した大沢在昌氏も登場。カルテットが電子書籍と書籍に加えて、映像化の予定があることを紹介した上で「電子書籍と紙は決して利益を食いあうものではない。1人でも多くの人にコンテンツを楽しんでもらうため、盛り上げていくために相互に展開しなければならない。まだまだ時間が掛かるし、海のものとも山のものともつかないが、前向きに取り組まないと意味はない」とコメントした。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス