インターネット検索サービス「NAVER」を運営するネイバージャパンは11月10日、ユーザー参加型検索「NAVERまとめ」のまとめコンテンツ作成者を対象としたインセンティブプログラムを開始した。
NAVERまとめは特定のテーマに沿って、ユーザー同士でリンクや画像、動画などを集め、検索結果として共有するもの。10月にはNAVERまとめを情報の集約、編集、共有という一連の行動(キュレーション)のためのプラットフォームとして成長させるべくリニューアルを実施。NAVERは10月末時点で月間総アクセス数約1億2000万PV(6月末から189%増加)、ユニークユーザー数943万人(同161%増加)を達成した。
インセンティブプログラムはユーザーのキュレーション活動を支援するのが目的。すべてのNAVERまとめ上にコンテンツ連動型広告が自動掲載され、その結果獲得した広告報酬の収益をまとめコンテンツの作成者に分配する。分配の割合はアクセス数などを元に付与されるポイントに応じて決まる仕組みだ。まとめ作成者は一般のブログやアフィリエイトなどのように能動的に広告の掲載手続きを行わなくても、簡単に収益を得られるようになるという。
まとめ作成者に対する収益分配は1人でまとめを作成した場合に限定される。複数のユーザーでまとめを作成した場合、獲得した収益は一旦ネイバージャパン側に預けられ、社会貢献活動やキュレーター育成、支援のための活動に全額投下される予定。その使途はウェブ上で公開する計画だという。
当初はGoogle アドセンスが自動的に掲載されるが、12月中旬にはAmazon アソシエイトのアフィリエイト広告を任意で掲載できるようになる。この場合、まとめ作成者はコンテンツにあった商品のアフィリエイト広告を自分で選択して貼り付けられる。発生した収益は作成者に全額還元される。
インセンティブプログラムへの参加にあたって特に必要な手続きはない。NAVERまとめを作成すれば、作ったまとめの内容に沿ったGoogle アドセンス広告が自動で表示され、インセンティブの分配対象となる。NAVERまとめ全体で発生した広告収益総額を、アクセス集計をもとに集計された独自のポイント数で分配するため、必ずしも自分が作成したまとめの広告がクリックされなくてもインセンティブが分配される。
NAVERまとめ上に掲載されたコンテンツ連動型広告の総収益が原資となるため、収益そのものが少なければ1ポイントあたりに配分される額も減る。NAVERまとめが人気となり、多くのユーザーに閲覧され、広告がクリックされると、まとめ作成者も潤うことになる。
広告報酬は支払い申請を行うことで受け取れる。支払い下限額は3000円。報酬額はまとめを作成した月の翌々月の月初に確定する。広告収益見込額は「まとめ管理ページ」内で参照できる。
ネイバージャパンはこうした取り組みを通して、ネット上で有益な情報や知識を編集したり、共有したりする人が収益をあげられる仕組みを整備し、「キュレーションエコノミー(経済圏)」を構築していく。いずれはNAVERまとめを主な収入源として生活していく人が生まれるようにしたいという。ネイバージャパン事業戦略室 室長の舛田淳氏は「ブログやTwitterが新たなスターを産んだように、このNAVERまとめやキュレーションならではの専門性を発揮して注目を浴びる人をどんどん送り出していきたい」と話す。
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