米国の「iTunes Store」で楽曲の試聴可能時間が現在の30秒から90秒に延長されると、デジタル音楽配信を手がけるSymphonic Distributionが同社のブログで伝えた件について、Appleの広報担当者は米国時間11月2日、米CNETに対しこれを認めた。試聴時間が延長されるのは全体の長さが2分30秒以上ある楽曲で、それより短い楽曲の試聴時間は30秒のまま変わらない。
Appleは同日、大手音楽レーベルなどの音楽業界のビジネスパートナーに対し、この変更について通知したという。
言うまでもなく、試聴用サンプルとは、楽曲購入の判断材料として利用してもらうよう、AppleがiTunesユーザーに提供している楽曲の一部だ。米CNETでは8月30日の時点で、Appleが楽曲の試聴時間を延長する計画で、9月1日にサンフランシスコで開催の同社主催の記者向けイベントでこれを発表する予定だといち早く報じていた。
だが米CNETによる報道の翌日、米音楽出版社協会(NMPA)は、Appleが適切なライセンス提供に向けた音楽出版各社との交渉を経ておらず、楽曲の試聴時間を延長する権利を有していないと同社に通達した。それ以降Appleは、Broadcast Music Inc.(BMI)などさまざまな団体と協議を重ねてきた。BMIは作詞作曲家や音楽出版社に代わり著作権使用料を徴収する著作権管理団体の1つで、9月にサンプル楽曲をめぐりAppleと交渉中であることを認めていた。
音楽業界の情報筋によると、Appleと権利保有者の協議は一部でまだ続いている可能性があるという。だがAppleは、最終合意が近いとみて今回レーベル各社の関係者に通知したようだ。
記事執筆時点までにNMPAとBMIからのコメントは得られなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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