Opera Softwareは10月14日、ノルウェーでイベント「Up North Web」を開催し、携帯電話向けウェブブラウザ「Opera Mobile」のAndroid版である「Opera Mobile for Android」を公開すると発表した。
Operaは携帯電話向けに「Opera Mini」と「Opera Mobile」という2種類の製品を提供している。Opera Miniはインターネットの情報を一度Operaのサーバで圧縮してから携帯電話端末に配信する仕組みの製品。回線の遅い環境で重宝されている。
Opera MiniはすでにiPhoneとAndorid版が提供されている。Opera Miniはクライアントではなくサーバ上でページ内容を処理するため、AppleからiPhoneアプリの配信が承認されたという背景がある。4月にApp Storeで公開され、初日だけで100万件のダウンロードがあった。Android版は5月に正式公開された。
一方のOpera MobileはPC向けOperaを携帯電話に対応させた純粋なブラウザアプリだ。Opera Mobile for Androidのベータ版は1カ月以内にAndroid Marketで入手可能になる。新機能はピンチによる画面のズームとハードウェアアクセラレーションだ。
現行バージョンのOpera MobileとOpera Miniは2段階のズームしかできなかったが、Opera Mobile for Androidではハードウェアアクセラレーションを使用することで、スムーズなピンチズームを実現するという。サポートするグラフィックAPIはOpen GL ES 1.xと2.0。
Opera製品の総責任者を務めるChief Product Development OfficerのChristen Krogh氏は、「Opera Mobile for Androidは本物のモバイル向けフル機能搭載ブラウザだ」と自信を見せた。
Opera Miniも年内のアップデートでピンチズーム、ハードウェアアクセラレーションに対応する予定だ。Krogh氏によれば、ユーザーからの意見で多く寄せられるのが、ピンチズームとハードウェアアクセラレーション、そしてフィーチャーフォン(従来の携帯電話)をはじめとしたあらゆるデバイスのサポートだと明かした。Operaには回線の遅い発展途上国のファンが多い。
そのためスマートフォンなどのハイエンドなプラットフォームだけでなく、フィーチャーフォン向けアプリの改善も続けていく方針だ。Krogh氏は「リアルなユーザーを忘れているわけではない。Operaはこれまでも3000以上の機種に対応してきた」と語った。
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