インターネット検索サービス「NAVER」を運営するネイバージャパンは10月15日、ユーザー参加型検索「NAVERまとめ」をリニューアルした。また、グループ会社であるライブドアのブログサービス「livedoor Blog」との連携を開始した。
NAVERまとめは特定のテーマに沿って、ユーザー同士でリンクや画像、動画などを集め、検索結果として共有するもの。NAVERはこのサービスを軸にユーザー数とアクセス数を伸ばし、2010年6月時点で月間ユニークユーザー数約580万人、累計まとめ投稿件数180万件を達成した。今回のリニューアルはこのNAVERまとめを情報の集約、編集、共有という一連の行動(キュレーション)のためのプラットフォームとして成長させることを目的としている。
そのためにリニューアルではNAVERまとめの操作性を改善し、テーマ作成やアイテム追加をしやすくした。さらにまとめ作成者をキュレーターとして目立たせるため、プロフィール情報を充実できるようにした。今後はまとめ作成者に対し、自分が作成したまとめ上でのアクセス数や購買数に応じて発生した収益を全額還元するインセンティブプログラムを導入する計画だ。詳細は11月に発表されるという。
そしてお気に入りのまとめを自分のブログに貼り付けられるようになった。まとめページの右側にある「ブログに貼る」をクリックすると、ブログ貼り付け用のコードが生成される。ライブドアとはID連携し、livedoor Blogの管理画面上からまとめの作成、貼り付けができるようになっている。ブログ貼り付け機能は現時点でエキサイトブログ、はてなダイアリー、Ameba、gooブログ、Yahoo!ブログ、楽天ブログ以外のブログサービスに対応している。
NAVERまとめは、ブログやSNS、Twitterなどの登場で飛躍的に増大したインターネット上のコンテンツを、ロボット型検索ではなく、人間の興味や関心というフィルタを通してより見つけやすく、評価しやすくするサービスとして利用されてきた。今後はキュレーションという考え方を旗印にさらなる成長を目指す。
「1億総クリエイター時代はハードルが高かった。いまは1億総キュレーター時代と言える。自分でコンテンツを生み出すことはできないけれど、おもしろいものを見つけ出してそれを紹介できる人は存在する。必要なのはコンテンツを選別して伝達する行為。そのためのプラットフォームとしてNAVERまとめがある」とネイバージャパンサービス企画室 室長の島村武志氏は話す。
ライブドアをはじめとした外部連携を強化することで、「キュレーションプラットフォーム」を確立し、そこで発生した収益をすべて還元することで、「キュレーションエコノミー(経済圏)」を構築していく。
いずれはNAVERまとめを主な収入源として生活していく人が生まれるようにしたいという。「そういった方を全面的に育てていきたい。いまはキュレーションで対価を得る方法がない。コミュニケーションの欲求が満たされるという段階でストップさせず、その先の仕組みまで実現する」(島村氏)
ネイバージャパン事業戦略室 室長の舛田淳氏は「ネット上で活動するキュレーターが1つの職業になるように、きちんと報われる体制を率先して作っていきたい。それによってブログやTwitterといったソーシャルメディアもより良いものになるはず。ネイバーはそのサイクルをリードしていきたい」と語る。
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