グーグルは8月12日、Google マップで新たな検索サービス「不動産検索」を開始した。地名とともに、「賃貸」「アパート」「マンション」などのキーワードを入力して検索すると、不動産情報が地図上に重なって表示される。
不動産検索が対象としているのはジアースから提供を受けた全国100万件の賃貸情報。地図上に表示されたアイコンをクリックすれば家賃や間取り物件の写真などの情報を一覧できる。Google マップのルート案内やストリートビューとも連携して、より詳細な情報も調べられる。
Google マップの不動産検索は特徴的な検索方法を採用している。検索すると、まず入力した地域一帯の不動産情報をすべて表示する。その後、価格や物件タイプ、間取り、広さ、その他の条件から絞り込む。「グーグルが提案したいのは、たとえば“5万円で2部屋ある物件”のような探し方。条件を指定していくとどんどん結果が減っていって、視覚的に絞り込める。これはけっこう楽しい。条件から入るのではなく結果から入り、それを減らしていく。逆転の発想だと思う」とグーグルのシニアプロダクトマネージャ、河合敬一氏は話す。関東全体の物件を表示しておいて、“5万円で2部屋ある物件”という条件だとどんな地域に住めるのかといったことを確認できる。
Google マップ上の複数の検索結果をレイヤーとして重ねられるのも便利な点だ。あらかじめスーパーや学校、病院などで検索しておけば、それらの検索結果を不動産検索に重ね合わせられる。
不動産情報はジアースが13万社の不動産事業者から収集し、取りまとめてグーグルに提供している。「ジアースに不動産情報を提供すると自動的に無料でGoogleに情報が掲載される」とジアース代表取締役社長の池添吉則氏は話す。「グーグルの不動産検索は近々、日本最大の不動産検索サイトになる。誰もが幸せになる不動産マーケットを作りたいと思っていたが、今回のパートナーシップによってそれが実現する。すべてのノウハウ、知識をグーグルに捧げた」(池添氏)
グーグルは物件を探すユーザーを不動産事業者のサイトに誘導することになるが、「そのことで金銭の授受はない。まずは使いやすいものを提供していく」(河合氏)。池添氏によれば、国内で日々流通している賃貸物件の数は約300万件で、売買も入れると400万件ほどだという。現状、Google マップの不動産検索が網羅するのは3分の1程度だが、物件数は今後拡大していくという。賃貸以外の情報もニーズがあれば提供していく方針だ。
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