英国に拠点を置くPA Consulting Groupが、いわゆる「死の握り(death grip)」に起因する「iPhone 4」のアンテナ受信問題が同端末に特有の問題であることを突き止めた。また同社は、AT&Tの電波が弱いことだけがiPhone 4のアンテナ受信問題の原因ではないことも示唆している。
同社は、他のスマートフォンも似た状況下に置いてテストを実施し、iPhone 4のパフォーマンスが競合の機種よりも「かなり悪い」ことに気付いた。以下が同社による調査結果である。
iPhoneの場合、端末の握り方は2つのアンテナの切り込みを埋めないようにした。「死の握り」を使った際には、切り込みが埋まり、通話を開始できずテストを実施できないレベルにまで、受信レベルが下がった。これは他のモバイル端末では見られない現象だった。すべてのテストは試験室で行われた。また試験室の外では、「死の握り」をしても、iPhoneでの通話は可能だった。
英国ではバンパーケースが入手できないため、これに似せた輪ゴムをアンテナの周囲にあてがうと、パフォーマンスは大きく改善した。
Appleがこの問題を説明するために開催した記者会見では、最高経営責任者(CEO)のSteve Jobs氏が「われわれに限った問題ではない」とばかりに、一般的にどのスマートフォンでも特定の握り方をすれば電波の感度が悪くなると述べ、スマートフォン業界から反感を買った。PA Consultingでは、他社製品でも特定の持ち方をすれば電波感度が低下する現象が見られたことを認めたものの、通話できないほどのレベルではなかったとしている。
また、PA Consultingが英国を拠点にしていることから、アンテナや受信感度の問題はAT&Tのネットワークを利用する米国に限った話ではないことを伺い知ることができる。今回の調査はVodafoneのネットワークを利用して実施した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス