アップル、プライバシーポリシー改定をめぐる米議員からの質問状に回答

文:Erica Ogg(CNET News) 翻訳校正:佐藤卓、高橋朋子2010年07月20日 13時59分

 Appleのプライバシーポリシー改訂をめぐり、2人の米国議会議員が質問状を送付していた件で、Appleがこれに回答を寄せ、ユーザーの位置情報やプライバシー情報の取り扱い方について、常になく詳細な説明を行っていたことが明らかになった。

 「iPhone」を手がけるAppleは、米国時間7月19日に公開された回答の中で、顧客の許可なく位置情報を外部の第三者と共有しないことを改めて表明した。同社によれば、顧客が「foursquare」「Twitter」「iAd」など、位置情報ベースのアプリケーションを使用することに同意した場合、Appleはユーザーを特定しない形で位置情報を収集するという。

 Appleは6月21日、「iOS 4」搭載機器を使用する顧客向けのプライバシーポリシーを改定したが、このことはちょっとしたパニックを引き起こした。顧客が「iTunes」を起動すると、このポリシー改定を知らせる以下のようなメッセージが表示されたためだ。「Apple製品でのロケーションベースサービスを提供するために、Appleならびに当社のパートナーおよびライセンシーは、お客様のAppleコンピュータまたはデバイスのリアルタイムの所在地を含む正確な所在地データを収集、使用および共有することがあります。この所在地データは、お客様を個人として識別せずに、匿名で収集され、Appleならびに当社のパートナーおよびライセンシーにより、ロケーションベース製品およびサービスの提供および向上のために利用されます」

 改定の直後、Edward J. Markey下院議員(民主党、マサチューセッツ州選出)とJoe Barton下院議員(共和党、テキサス州選出)は、Appleの最高経営責任者(CEO)であるSteve Jobs氏に書簡を送り、ポリシーに追加された項目に関する懸念を表明するとともに、Appleが自社顧客の位置情報を収集し、第三者と共有していると報じられた件について回答を要請した。

 Appleはこれに対し、両議員が期限に定めた7月12日に回答を寄せた。その1週間後の19日、下院におけるプライバシーに関する超党派の会議で共同議長を務めるMarkey議員とBarton議員は、Appleから寄せられた回答の全文を公開した。全文はこちらで参照できる。

 この回答は、Appleの法律顧問Bruce Sewell氏の名で送られており、両議員からの個々の質問に対する回答だけでなく、ポリシー全般に関する詳しい説明がなされている。Appleがプライバシーポリシーを改定するのは6月21日で3度目となり、1度目は初代iPhoneを発売した2007年6月29日、2度目は「iPhone OS」向けソフトウェア開発キット(SDK)を公開した2008年2月に行っている。

 Appleがプライバシーポリシーの改定を「iTunes Store」で知らせたのは、できる限り多くの顧客の目に触れるようにするためだったとAppleは回答の中で述べている。同社製品で自身の位置情報を共有されたくない顧客は、どの「iOS」搭載機器でも、設定メニューで位置情報サービスを無効化すれば、情報共有をオプトアウトできる。あるいは、新しいプライバシーポリシーに対して「同意しない」を選択することも可能だ。その場合、顧客はiTunes Storeのアカウントを設定できなくなるが、Appleの機器をアクティベートして使用することは引き続き可能だと同社は説明している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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