Microsoftが米国時間9月29日にリリースした、「Windows 10 Anniversary Update」(「Build 1607」)向けの累積アップデートで、一部ユーザーの間でインストール時の不具合が発生しているという。アップデート「KB3194496」(適用後のビルド番号は「Build 14393.222」)は、Build 1607の提供が8月2日に開始されて以来、7つ目のアップデートである。
筆者は問題に遭遇しているユーザーの人数を把握していないが(「全ユーザー」でないことは確かだ)、Twitterや、Microsoftのサポートフォーラムには、同アップデートをインストールできず、(少なくとも一部のユーザーは)インストールが無限ループに陥ったという報告が寄せられている。
影響を受けたユーザーのなかには、Microsoftがこのアップデートを「Windows Insider Program」の「Release Preview」リング向けに9月28日に配信した後、インストールの失敗や再起動という問題を一部のテスターが報告していたと指摘する人もいる。同社はこのような報告を受けていたにもかかわらず、Insider Programに参加していない、Windows 10 Anniversary Updateの「メインストリーム向けリリース」を稼働させているユーザーに配信してしまったようだ。
この問題によって「Insider Programの参加者がテストする意味はどこにあるのか」という疑問の声が上がっている。一部のユーザーの目には、MicrosoftがInsider Program参加者からのフィードバックを無視しているかのように映っている。筆者が過去の記事でも述べているように、Microsoftは新しいビルドをテスターおよび/またはメインストリームに配信する際に膨大なデータを収集し、何が機能しており、どんな問題が発生しているか、どれだけのユーザーに影響が及んでいるかをほぼ即座に把握しており、これによってアップデートや新機能のリリースを控えられるような態勢を取っている。残念ながら、「影響を受けたグループ」に入ってしまったユーザーにとっては、しっかり注意を払ってもらっていないと感じられるようだ。
筆者はMicrosoftに問い合わせ、今回の累積アップデートのインストールに失敗したマシン向けに、ワークアラウンドやパッチを提供するのか、またするとすればいつ頃になるのかを照会しているが、回答はまだ得られていない。
KB3194496(Build 14393.222)に含まれる主な変更点はMicrosoftのページで確認できる(通常の累積的アップデートと同様、フィックスのみで新機能は提供されていない)。
なお、Windows 10 Anniversary Updateそのものの提供についての話だが、アップデート対象となっているすべてのPCやタブレットに対する配信は現時点でまだ完了していない。Microsoftによると、同アップデートの適用対象となっているマシンへの配信が完了するのは11月初旬になる可能性もあるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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