人間のように音声を理解する音声認識製品の開発でAmazon、Apple、Google、IBMなどと競合するMicrosoftが、音声認識の誤り率の低さで世界記録を達成したと発表した。
Microsoftによると、Microsoft Researchの音声科学者は業界標準の評価の下で、単語誤り率(WER)6.3%を記録したという。利用したのは、将来的に「Cortana」を強化する音声認識技術だ。
これまで記録を保持していたのはIBMの「Watson」チームで、WERは6.9%だった。IBMは2015年に達成した8%という記録を更新したばかりだった。
MicrosoftとIBMは、米国時間9月12日までサンフランシスコで開催されたカンファレンス「Interspeech 2016」で、自社の音声認識に関する取り組みの詳細を記した論文を公表している。Googleの音声研究者も同カンファレンスで論文を発表した。
Microsoftが記しているように、20年前までWERは43%だった。これはIBMが1995年に出した記録だ。IBMは記録を更新し、2004年には15.2%となっていた。
だが、このところディープニューラルネットワークの研究への投資は増加しており、ハイテク大手らはWERを1桁台に下げている。それでもまだ、IBMが約4%と想定する、人間ほどの正確さを超えるレベルには達していない。
Googleの最高経営責任者(CEO)Sundar Pichai氏は2015年、ディープニューラルネットワーク分野の強化により、音声認識システムのWERが8%になったと述べた。Googleの音声認識技術は、検索やAndroidで利用されている。
最近では、元Microsoft Researchのメンバーで、現在AppleのSiri担当シニアディレクターを務めるAlex Acero氏が、音声認識の誤り率は「すべての言語で2分の1」に下がっており、多くの場合それ以上の改善が見られると述べていた。ディープラーニングに依るところが大きいとしている。
Microsoftの音声認識システムの評価は、米国立標準技術研究所(NIST)が電話の会話音声認識をテストする目的で2000年に開始した評価となるNIST 2000 Switchboardを利用した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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