ソフトバンクと日本IBMが共同で開催している「第2回 IBM Watson日本語版ハッカソン」の決勝戦が3月10日午後6時から東京・汐留のソフトバンク本社で開催された。Watsonを活用して、暮らしを豊かにするサービスを生み出すことを目的としたもので、昨年11月に第1回目を開催しており、今回が2回目。
2月13日にアイデアソンを開催。46チームの応募があり、そのうち44チームがアイデアソンに参加。その結果、13チームが選ばれ、2月27~28日にハッカソンを開催。決勝進出の5チームを選出し、3月10日の決勝戦を迎えた。決勝戦に進んだのは以下の通り。
ハッカソンでのアプリ開発には、Watson APIが搭載されたPaaS「IBM Bluemix」を使用。審査の対象となるサービスは、「人々の生活を豊かにする」という点のみ。これまでにないサービスや今まで不便だったサービスの改善など、個人向けや企業向け、業態や業種などのジャンルを問わない。
審査対象は、アイデアが30%、ビジネスモデルが30%、アプリプロトタイプが20%、コンテンツ有効性が10%、プレゼン能力が10%とし、優勝となるWatson賞のほか、アイデア賞、ビジネスモデル賞、アプリ賞、コンテンツ賞、プレゼン賞を決定した。優勝チームにはWatson日本語版の開発環境(約180万円相当)が提供されるほか、その他の受賞チームには、PlayStation 4やApple TVなどの景品が提供された。副賞として、ソフトバンクのWatsonビジネスパートナーとして提携することも含まれた。
審査員は、サムライインキュベートの最高経営責任者(CEO)である榊原健太郎氏、ソフトバンク 常務執行役員 法人事業副統括の佐藤貞弘氏、ソフトバンク法人第二営業本部本部長の藤長国浩氏、日本IBM 執行役員 ワトソン事業部長の吉崎敏文氏、日本IBM 東京ソフトウェア&システム開発研究所クラウド開発部長の浦本直彦氏、ログバーのCEOである吉田卓郎氏、フォトシンスの代表取締役社長兼CEOである河瀬航大氏、TechCrunch Japan編集長の西村賢氏が務めた。
Watson賞を受賞したのはメディアマート。「デジタライズされる分野として、ヘルスケア市場は有望な領域。人間の頭の中にある知恵や知識、そして経験がWatsonのコグニティブ技術と融合したものになっており、満場一致が決まった」と圧倒的な評価を得ての優勝となった。「オヤジからもイノベーションが生み出されることがわかった」という講評には会場からは笑いが出ていた。
メディアマートは、「病院の人手不足を実感しながらの作業となった。大企業ではないわれわれは売り物を作らなければ生き残れない。約2カ月間という短い期間でサービスをリリースできる状態を作り上げられたことには自分たちでも驚いた」と感想を語った。
プレゼン賞は日本情報通信、コンテンツ賞はCTC、アプリ賞はブライトビュー、ビジネスモデル賞はメディアマート、アイデア賞はクレスコとなった。参加企業からは「コグニティブ分野の技術の面白さを感じた」などとの声が挙がっていたほか、会場には約300人が詰めかけ、Watsonに対する関心が高まっていることを浮き彫りにした。
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