Googleは、「オリジンチップ(Origin chip)」の計画から一歩後退したようだ。この計画は、「Chrome」ブラウザで利用者が訪れたウェブサイトのドメイン名のみを表示し、フルアドレスを隠すというものだ。
Chrome開発チームに所属するPeter Kasting氏は米国時間6月10日、このアドレス非表示機能の優先順位を最優先から第3位に下げた。同氏は、Googleの課題追跡サイトに投稿した説明の中で、「オリジンチップの作業は後回しにされる」と述べた。
Googleがこの機能の優先順位を下げた理由は、いまのところ明らかにされていない。しかし、オリジンチップに関する作業はすでに多くがなされており、オリジンチップに関する作業の他の側面はChromeの課題トラッカーにアクティブな状態で残っている。米CNETはGoogleにコメントを求めたが、本稿執筆時点では得られていない。
オリジンチップは、Chromeのアドレスバーの左側にウェブアドレスのドメイン名のみを表示する部分として計画された。たとえば、「http://www.cnet.com/news/google-test-hides-web-addresses-in-chrome/」のようなフルアドレスではなく、「http://www.cnet.com/」だけを表示することになる。フルアドレスの表示が利用者の役に立つこともあるが、コンピュータだけが理解できる意味不明のコードが延々と続く場合もある。
Googleは利用者の反応を知るため、Chromeユーザーの一部を対象にこの機能をテストしてきた。だが、フルウェブアドレスには有用な情報を表示することもあるという理由から、否定的な反応もあった。
たとえば、利用者は自分が「http://www.reddit.com/r/bitcoin」または「http://www.ebay.com/vlp/sporting-goods/」にいることを一目で知りたいと思うかもしれないが、オリジンチップはそのアドレスの詳細部分を隠してしまう。あるいは、そのアドレスにプログラムが「?feedType=RSS&feedName=technologyNews」のようなユーザートラッキングタグを付加したかどうかを知りたい人もいるかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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