Twitterは米国時間1月26日、ある国で問題になるツイートが投稿された場合、今後はそれを世界中でブロックするのではなく、その国だけで公開を控えるようにすると発表した。
Twitterは、「グローバルビジネスの拡大を続けていく中で、われわれは表現の自由の概念について異なる考え方を持つ国々にも参入することになる」と公式ブログへの投稿で述べ、「一部の国は極端に異なる考え方を持っているので、われわれがそこで存在することは不可能だろう。われわれと似た価値観を持ってはいるが、歴史的または文化的な理由から、一部のコンテンツを制限する国もある。例えば、フランスやドイツはナチスを支持するコンテンツを禁止している」と続けた。
これまで、Twitterがそうした国々でのサービス提供を可能にする唯一の方法は、問題があるとされるコンテンツを同社サイト全体から削除することだった。
Twitterは、「26日以降、特定の国においてコンテンツを要請ベースで非公開にする一方で、それ以外の国々では閲覧可能なままにする機能を導入する」と同ブログ投稿において明らかにする一方で、「また、コンテンツを非公開にした場合、その実施時刻と理由をユーザーに明示的に伝える手段も組み込んだ」と述べた。
Twitterがこの措置を実際に適用したことはまだない。しかし、公式ブログへの投稿によると、ある国によってツイートの非公開を求められる状況が生じた場合、Twitterはそのツイートを投稿したユーザーへの連絡を試み、「そのコンテンツが非公開となった時刻を明確に示す」という。
Twitterは、反検閲サイトのChillingEffects.orgとの提携をChillingeffects.org/twitterで拡大させてきた。同ページでは、こうした非公開要請および活動に関連する通知が公開されている。
ほかの人気ウェブサービスと同様、Twitterもコンテンツ所有者からコンテンツ削除要請を受けることが頻繁にある。Universal Music Groupが提出したデジタルミレニアム著作権法(DMCA)通知もその1つだ。
今回の動きにより弾圧的な政権がウェブコンテンツをより自由に検閲できるようになるのではないかという懸念を受け、Twitterの法律顧問であるAlex Macgillivray氏はTwitter上で、「それこそ、透明性が極めて重要だという理由の1つになる。chillingeffects.org/twitter/の監視を続けて、われわれが間違ったことをしていると思ったら知らせてほしい」と述べた。
今回の動きによりTwitterは、Googleや米Yahooと同様の措置を取ったことになる。Googleは2006年、中国向けに検閲された特別なバージョンのウェブ検索を開発し、Yahooは2001年、ナチスおよびKKK関連の収集品の販売をサイトから排除することを余儀なくされている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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