みんなのウェディングは1月31日、ウェディングプランナーとのマッチングサービス「みんなのウェディングプランナー」の提供を開始した。
みんなのウェディングは、2010年の設立。全国約5000件の結婚式場を網羅する口コミサービス「みんなのウェディング」を運営している。
同社はもともと、ディー・エヌ・エー(DeNA)の社内ベンチャープロジェクトとしてスタート。代表取締役(当時)だった南場智子氏肝いりのプロジェクトとして2008年にサービスを開始したのちにスピンアウトした。現在はグロービス・キャピタル・パートナーズが出資をしている。
サービス開始当初から、口コミの質にはこだわった。ある程度の情報量を担保するため、口コミの投稿は300文字以上に限定。さらに、見積もり書から最終的な明細書までをユーザーが投稿する機能も設けた。これにより、「安価に見積もっていたが実際はいくらかかった」というリアルな数字を知ることができる。各種の投稿に対しては、ユーザーに「ご祝儀ポイント」と呼ぶポイントを付与している。1ポイント1円相当で現金に交換できる。
たとえネガティブな内容が含まれた口コミでも、著作権やガイドラインに反する口コミ以外は消さないという姿勢でサービスを運営してきた。代表取締役の飯尾慶介氏は「当初はネガティブな口コミや明細を消すよう、式場などからも電話で怒鳴られた。脅しに近いことを言われ何度も挫折しそうになったが、口コミは消さなかった」と振り返る。その結果、いい点も悪い点も含めて、数多くの口コミが集まることになり、ページビュー(PV)やユニークユーザー数(UU)の増加につながった。月間PVは1200万超となり、月間UUは110万を誇る。「現在年間の婚姻件数は約70万件。かなりリーチできている数字」(飯尾氏)
同社の主力ビジネスは、結婚式場などに向けて、コンテンツを追加したり、ユーザーとのコミュニケーションをできる機能を追加する法人向けサービス。すでに700社ほどの式場がユーザーとなっており、「1営業日1会場くらいのペースで増えている」(飯尾氏)
さらなるユーザー発掘に向けては、iOSアプリ「みんなのウェディング」も2011年10月に公開。「駅徒歩5分」「独立型チャペル」といった式場の条件に関するキーワードをiPhoneやiPad上で投げるように操作するだけで、好みの式場を検索できる。
今回開始したみんなのウェディングプランナーは、そんな同社の新たな収益の柱を目指すサービス。
このサービスではまず、みんなのウェディングがフリーランスのウェディングプランナーおよびドレスやジュエリー、ギフトなどを取り扱う企業をパートナーとしてネットワーク化。結婚式の実施を検討するユーザーは、自分たちに合ったプランナーをサイト上で検索。実際にプランニングを行ったのち、最適なパートナーを紹介していく。費用の回収代行はみんなのウェディングが担当することで、トラブルを防ぐ。プランニングの価格は、プランナーやプランによって異なるものの10万円程度から。
みんなのウェディング営業企画推進部の佐々木聡晃氏によると、新事業は構想約1年のプロジェクトだという。「以前にみんなのウェディングのキャンペーンとして『ウェディングプランナーによるプランニング』を実施したところ、100件以上の応募があり、結婚式に細かく個別なニーズがあることが分かった」(佐々木氏)
現在日本では、婚姻件数の約半数となる35万件しか実際に挙式・披露宴を実施していないという。「たとえばプランナーを通せば『あるお金の中で式を実現する』ということができても、費用が高そうと考えられてしまう。またセレモニー行為が嫌といった先入観もあって実施していない人も多い。さらにフリープランナーと接点がなく、認知されていない現状がある」(佐々木氏)。新サービスによって、婚姻届をだすだけで挙式をしない“なし婚”層の挙式件数向上を目指す。
当初のプランナー数は7名、パートナー数は10社。数は少ないが、「事故の起こらない、信頼できる人たちを集めている」(佐々木氏)という。2013年度中にもプランナー30人、パートナー100社体制を目指す。
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