KDDIは1月16日、2012年春モデルとなるスマートフォン5機種を1月20日から順次発売すると発表した。au初となるグローバルモデル「GALAXY S II WiMAX ISW11SC」「Optimus X IS11LG」や、防水でHDディスプレイを搭載した「Xperia acro HD IS12S」、スリムで軽量な「MOTOROLA RAZR IS12M」、初代INFOBARを連想させるテンキー搭載の「INFOBAR C01」などを揃えた。
また、KDDIの新スローガンとなる「あたらしい自由。」が発表され、「au」のブランドマークも刷新。従来のオレンジ色を継承した筆記体のデザインを採用した。さらに、新CMのキャラクターに、俳優の伊勢谷友介さん、女優の井川遥さん、剛力彩芽さん、そしてアニメ「巨人の星」の主人公の星飛雄馬を起用した。新CMは1月21日から放映される。
同日の記者発表会ではKDDI代表取締役社長の田中孝司氏が登壇。同社が掲げている「3M戦略」を本格化させるための取り組みの第1弾として「スマートパスポート構想」を発表した。3M戦略とは、さまざまなサービスやコンテンツを、最適なネットワーク、かつ好きなデバイスで利用できる通信環境を整えることを目指した「マルチデバイス」「マルチネットワーク」「マルチユース」の3つの頭文字からなるKDDIの成長戦略だ。
田中氏はまず、2011年の同社の取り組みを振り返り、iPhone 4Sを含む多数のスマートフォンを投入したことで、3カ月連続(2011年10~12月)でMNP1位を獲得できたことなどから、「昨年の目標としてauのモメンタムの回復を宣言していたが、何となくそこまで回復できたのかなと思っている」と評価。一方で顧客からは、アプリごとに料金がかかる、ウィルスに感染する危険性がある、通信費が高額であるといったスマートフォンならではの不満や不安の声もあると説明する。
「スマートフォンユーザーが本当に自由に使えるように、2012年は新しいau、次のauに向かっていきたい」--そう語る田中氏が、顧客の不満への解決策として打ち出したのがスマートパスポート構想だ。スマートパスポートという言葉には「オープンで制約のない世界へのパスポート」(田中氏)という意味が込められており、大きく「auスマートパス」「auスマートバリュー」「au ID」の3つのキーファクタによって構成されているという。
auスマートパスは、ダウンロードし放題の500本以上のアプリや、コンビニ・飲食店などのクーポン&ポイント、10Gバイトのストレージ、アンチウイルスソフトをはじめとしたセキュリティサービスなど、すべてのサービスを含めて月額390円で利用できるサービス。auスマートバリューは、KDDIがFTTH/CATV各社と連携し、指定の固定通信サービスに契約することで、最大2年間スマートフォンの月額料金を1480円割引くサービスだ。どちらも3月1日から提供する。
さらに、auのさまざまなサービスを利用できる「au one-ID」を3月1日から「au ID」にリニューアルする。田中氏は「我々は3M戦略で自由な世界を実現したい。そのために、よりシンプルでシームレスにお楽しみいただくためのキーとなるのがau ID」と説明。au IDによって、スマートフォンを機種変更しても、クラウドサービスによってアプリをそのまま利用できたり、テレビやタブレットなど、幅広い端末からサービスを利用できる環境をつくっていきたいとした。
田中氏は「春はスマートフォンを十分楽しめる環境を、夏には新たにテレビを加えて、家族でもこういったサービスを利用できる世界をつくりたい。秋冬からは新たにLTEを加え、スマートパスポート構想を完成版にもっていきたい」と語り、3段階のフェーズで構想を実現させていきたいとした。
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