ランチの時間を有効活用してネットワーキングをする――こんな人たちのイベント開催を支援するサービスが2011年になっていくつか出現してきた。北米で多くの投資家を集めて注目された「Grubwithus」や、ビジネスユースを前提にした「Lets Lunch」。国内でもデジタルガレージが7月に「昼会」というサービスを開始している。
シンクランチが10月19日に正式公開した「ソーシャルランチ」も、そんなランチイベントの開催支援サービスの1つだ。
5月にベータ版を公開したソーシャルランチは、すでにFacebookページ上で6000人のファンを獲得、KDDIが主催するスタートアップ支援プログラム「KDDI∞Labo」の第1期支援企業にも選出されている。
これらサービスの一般的な使い方は、まず主催者がランチイベントを作成し、ソーシャルメディアなどを通じて告知する。そして参加者を募り、予定人数などの条件が整えばイベントが成立。ランチを開催するという流れだ。前述の各サービスとも、イベントが成立しやすいようそれぞれ特色を出している。たとえばLets Lunchは、プロフィール確認にLinkedInのコネクトを要求するし、Grubwithusはフラッシュマーケティングの要領でイベント参加を演出している。
ソーシャルランチも独自のアイデアを用意している。それが「2対2」のペアマッチングだ。ユーザーはまずFacebookアカウントでログインし、必ず自分の所属、たとえば会社名やプロフィールを入力し、次にペアとなる相手を選択する。後は提案されるペアを見て、日時とリクエストを送信し、相互にマッチングが成立すればOKだ。
どれだけFacebook上のプロフィールや事前のコミュニケーションがあったとしても、当日出会うのは初対面という利用シーンも少なくないはずだ。ペアマッチングであれば、そんな心理的な障壁を下げてくれるだろう。ベータ版でも実際に効果はあったようで、シンクランチ代表取締役副社長の上村康太氏は「以前はそれぞれ1名ずつの4名が出会うシステムだったものを途中でペア登録可能にしたが、結果的にユーザー層が広がった」と説明する。
シンクランチ代表取締役社長の福山誠氏は、ベータ版のサービス運営を通して、「『こういう立場の人に出会えた』『こういう話を聞けた』という結果が見えてくるようになった」と説明。同世代だけでなくさまざまな世代、業種の人たちと出会うことの価値は大きいと語る。
だからこそ、その場を安易な出会い系にしてしまうことは場所の価値を下げることになる。そのためソーシャルランチでは職業入力を必須にするなど、「あえてハードルを上げることで価値のある出会いを作る」(上村氏)という。
飲食店との親和性が高いサービスなので、ユーザーが集いそうな複合商業施設などとのパートナーシップを進めるほか、課金サービスの提供も検討しているという。また10月中にはAndroidアプリ、11月にはiPhoneアプリをそれぞれリリースする予定だ。
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