ウェブの世界はほぼCSS 3へと移行しつつあるが、World Wide Web Consortium(W3C)は米国時間6月7日、CSS 2.1をウェブフォーマットの標準とすると宣言した。
W3Cによると、CSS 2.1は「勧告」ステージに達したのだという。W3Cでインタラクション分野のリーダーを務めるPhilippe Le Hegaret氏が、Twitterにてこのマイルストーンを発表した。
ブラウザメーカーは、常に遅れ気味のMicrosoftでさえすでにCSS 3に目を向けている。CSS 3は、ページ遷移時のトランジション効果を利用したり、角が丸いボックスを表示したり、Adobeの提案に従えば雑誌のようなレイアウトをすることも可能となる。
それでも、CSS 2.1は標準として完成させておくべきものだ。こうした技術は寿命も数十年と長くなる可能性があり、その間非常に幅広いユーザーや組織がウェブパブリシングに携わっていくためだ。
CSSの共同発案者でCSS 2.1の共同編集者であるBert Bos氏は、声明で「CSS 2.1の標準化は、幅広い互換性を達成するため長い努力を重ねた結果達成したものだ」と述べた。
CSS 2.1が勧告ステージとなったことで、知的財産に関する保証も得られることになる。つまり、CSS 2.1を採用したとしても、メーカー側が特許侵害で訴えられることはないということだ。
もちろん、今回CSS 2.1が標準として落ち着いたことで、CSSワーキンググループではCSS 3に費やす時間ができたという事実も忘れてはならない。Bos氏は、「これでようやくわれわれはウェブに採用したくてたまらなかったクールな機能に集中できるようになる」と述べた。
HTMLやJavaScriptと同様にCSSは、ウェブサイトやウェブアプリだけでなく、今後登場するWindows 8に対応したアプリケーションにおいても中心的な役割を果たすようになる。この事実を考えると、W3Cが今後CSS 3に注力していくことは非常に重要なことと言える。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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