イー・アクセスは5月12日、2011年3月期(2010年4月~2011年3月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比118.5%増の1815億4100万円、営業利益は同21.8%減の149億6700万円、経常利益は同53.0%減の50億8800万円、純利益は同251.1%増の145億6500万円となった。
イー・アクセスは2010年7月1日にイー・モバイルを完全子会社化しており、3月31日には同社を吸収合併している。この経営統合は「逆取得」に該当するため、イー・アクセスの9カ月間(2010年7月1日~2011年3月31日)の利益のみが連結される。さらに、イー・モバイルで新たな卸資産評価損を計上したことから営業利益と経常利益はマイナスとなった。
純利益については、リファイナンスに伴うイー・モバイルの旧借入契約による特別損失が増加したが、吸収合併によりイー・モバイルの繰越欠損金を継承したため、同期の課税所得を相殺した。また、繰延税金資産の計上に伴い法人税などの調整額を戻入れしたことで過去最高益を記録した。
2012年3月期は、下り最大42Mbpsのデータプラン「EMOBILE G4」のネットワークエリア人口カバー率を70%に拡大するほか、5機種以上のスマートフォンとタブレット端末を発表する予定。これらの取組みによって、営業利益は2011年3月期の約2倍となる300億円を、純利益は過去最高となる170億円を見込む。
同日の会見に臨んだイー・アクセス代表取締役社長のEric Gan氏は冒頭で、3月11日に発生した東日本大震災の被災者を見舞うとともに、携帯電話基地局の被災状況や今後の震災対策を説明した。
震災直後の携帯基地局の最大被災数は878基地局だったが、復旧作業により震災から4日後の3月15日には140基地局と6分の1以下まで減少、1カ月後の4月11日にはすべての基地局が復旧している。「3月11日のトラフィックは平常時の10倍に上昇したが、通話規制を実施せずに99.5%の通話接続率を維持している」(Eric氏)。
2012年3月期と2013年3月期には、震災対策費用として約20億円を投資する予定。基地局は計画停電時に最長24時間サービスを提供できる予備電源に切り替えるとしている。
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