ソーシャルネットワークサービス(SNS)の草分けFriendsterが、米国時間5月31日で終わりを告げる。同社は4月26日、Facebookの競合となり得るサービスから「ソーシャルゲームのための選ばれた場所」へと変革するために、ユーザーアカウントは残すものの、写真やコメント、ブログ投稿、プロフィールなどは削除する、とユーザーに通知した。削除予定のデータを保存しておきたいユーザーに対しては、ツールを使ってプロフィールなどをハードディスクに保存するよう勧めている。
Friendsterにとって、サービスの閉鎖は寂しい出来事だ。Friendsterは現在のFacebookのように、誰もが使うSNSとなる可能性もあったためだ。いや、皆が使うSNSには決してならなかったかもしれない。過去数年を振り返ってみると、同社は米国にてまずMySpaceに水をあけられ、のちにFacebookにも大差をつけられた。その後同社は東南アジア市場に注力し、ある程度勢力を保ってはいたが、2009年後半にはオンライン決済事業を運営するマレーシアのMOL Globalに買収されている。
FriendsterはSNSで成功する機会を逃したが、これまでにそのチャンスがなかったわけではない。Friendsterは、インターネット上で交流する場としては最初のサービスだったのだから。しかし同サービスは、Facebookのようにユーザーの日常の一部となることはなかった。
2003年というFriendsterの開始時期が少し早かったのかもしれない。2000年代前半は、SNSでプロフィールを登録することなどあまり一般的ではなく、現実の世界で何もすることがないためにインターネットに向かっていると考える人もいた時期だった。
Friendsterがうまくいかなかった理由としてシステムトラブルが多かったことを挙げる人もいるが、Twitterがこれまでに何度も同様のトラブルを経験しながら成長を続けていることから、これが原因とも考えにくい。Friendsterは先発者ではあったが、MySpaceやFacebookなど次々と登場する新サービスの中で優位性を保つことはなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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