Microsoftは先週、不正目的のために開設したサイトでボットネット、あるいは何も知らないユーザーを利用してクリックを稼ぐ「クリックロンダリング」と呼ばれる新手のクリック詐欺に関与しているとして、あるウェブサイトを提訴した。
Microsoftの声明によると、被告として訴えられたのは、科学関連のニュース集約サイトredOrbitだ。また、これとは別に、Microsoftの広告ネットワーク「adCenter」上でクリックロンダリングに加担した疑いがあるとして、複数の被告を氏名不詳のまま提訴している。
MicrosoftのDigital Crimes Unitで上級弁護士を務めるRichard Boscovich氏は、米CNET Newsのインタビューで、詐欺師らがクリック詐欺の検出技術を回避するため、いわゆる「パークドメイン」のウェブサイトを利用して広告クリックのトラフィックを偽装していると指摘した。
このトラフィックは、ウイルスに感染したPCで構成されるボットネットに由来するものだ。感染したコンピュータは、ユーザーが気付かないうちに広告をクリックするようプログラムされる。あるいは、コンピュータ内に潜んでブラウザを乗っ取り、ウェブ閲覧中のユーザーを正規の検索サイトに見せかけたサイトへ誘導するマルウェアに起因する場合もある。Boscovich氏によると、このときユーザーがサイト上に隠された検索結果のコードらしきものをクリックすると、これが広告クリックとして処理されるという。
これに対しredOrbitの社長を務めるEric Ralls氏は、関与を否定した。
同氏は米国時間5月21日、声明で次のように述べた。「redOrbitは、クリック詐欺に加担したり、協力したり、これを容認したりすることはなく、これまでにしたことも決してない。当社は、Microsoftがこうしたまったく根拠のない申し立てを行ったことに失望しており、断固として争うつもりだ」
Ralls氏によれば、Microsoftは「pubCenter」プラットフォームのベータテストにおいてredOrbitに協力を求め、redOrbitは2008年9月から約5カ月間にわたりベータテストを実施したという。
Ralls氏は、次のように述べている。「2009年1月の一時期、クリック数が異常な伸びを示したことがあり、当社はすぐに、Microsoftが当社のログに自由にアクセスできるようにするなど、協力して原因の特定に当たった。その時点で、MicrosoftはredOrbit側に不審な活動があったとは結論付けておらず、当社は(Microsoftとの)協力関係を終わらせた」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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