Microsoftは、Googleなど複数の企業に対するサイバー攻撃の的になったと考えられる「Internet Explorer(IE)」の脆弱性に対処するため、臨時パッチのリリースという異例の措置を取る予定だ。
Microsoftは米国時間1月19日、「今回の問題から生じた注目度の高さ、顧客が自衛のために可能な手段についての混乱、脅威が高まっている状況を考慮し、当社はこの脆弱性に対処する定例外のセキュリティアップデートをリリースする予定だ」と発表した。同社はパッチをリリースする時期について明言しなかったが、1月20日に詳細を明らかにすると約束した。
Microsoftは通常、「Patch Tuesday」として知られるようになった毎月第2火曜日に自社製ソフトウェアに対するパッチをリリースしている。その目的は、同社製品を使用する企業がパッチの内容について事前に情報を入手し、それに応じて計画を立てられるようにすることだ。ただし、定例パッチのリリースは月に1度に限られているため、時として早急な修正を必要とする重要な欠陥や脆弱性が発見されると、Microsoftはこのパターンを破ることになる。次回の月例更新は2月9日に予定されている。
Googleと中国政府の対立を引き起こしたサイバー攻撃で標的となったこの脆弱性は今なお未解決で、「IE 6」「IE 7」「IE 8」に影響を及ぼす。ただしMicrosoftは、これまで攻撃が成功していたのはIE 6を実行するシステムに限られると述べた。同社はIEユーザーに向けて、攻撃に対して自衛するためIE 8にアップグレードするよう求めている。
ただし、Microsoftによる今回の発表の直前、VUPEN Securityの研究者らが、攻撃の低減を目的としてバージョン7以降のIEに実装された技術は回避され得ると報告していた。
この件にコメントを求められたMicrosoftの広報担当者は、次のように述べた。「当社は現在、IEのデータ実行防止(DEP)機能を回避することが可能だという主張を調査している。調査を終えたらすぐ、顧客の保護に役立つ適切な措置を講じる予定だ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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