マカフィー、2009年コンピュータウイルスの検知データを発表

梅田正隆(ロビンソン)2010年01月12日 19時14分

 マカフィーは1月12日、2009年のコンピュータウイルスおよび不審なプログラムの検知データの集計を発表した。その結果、Gumblar(ガンブラー)が猛威をふるったことが、2009年の特徴であったと報告した。

 同社によると、Gubmlarの感染は、ユーザーが不正にiframeを埋め込まれたサイトを閲覧することから始まる。次に、iframeにより難読化されたJavaScriptが実行され、ぜい弱性のあるPDFファイルやFlashファイルがダウンロードされた後、その脆弱性によりパスワードスティーラーをはじめとしたマルウェアが最終的にインストールされる。

 検知会社数の年間トップ10にランクインしている「Obfuscated Script.f」「Obfuscated Script.f.gen」「Exploit-ObfuscatedHtml」「JS/Obfuscated」といった検知名は、このような難読化されたJavaScriptやHTMLを対象にしたもので、2009年4月にGumblarが発見されて以来、手口を変えつつ活発な活動が観測されており、この傾向は2010年も続く可能性があると指摘した。

 また、「Generic!atr」など外部メディア経由で感染するワームと、それによってインストールされる「Generic PWS.ak」「PWS-Gamania.gen.a」「PWS-MMorpg.gen」といったオンラインゲームのパスワードスティーラーも年間トップ10にランクインしているが、「これらの脅威はここ数年にわたって観測されている」とマカフィーでは報告している。

以下は、マカフィーのデータセンターで把握している情報をもとにトップ10を算出し、同社の研究機関であるMcAfee Labsの研究員が分析をしたものだ。

2009年 ウイルス検知会社数 トップ10

  1. Generic!atr 1万5540件
  2. Generic PWS.ak 8085件
  3. Generic.dx 6566件
  4. Obfuscated Script.f 3069件
  5. Phish-FraudPay.eml 2602件
  6. PWS-Gamania.gen.a 2295件
  7. Obfuscated Script.f.gen 2237件
  8. Exploit-ObscuredHtml 2077件
  9. JS/Obfuscated 1564件
  10. Phish-BankFraud.eml.f 1549件

2009年 ウイルス検知データ数 トップ10

  1. W32/Conficker.worm.gen.a 128万435件
  2. Generic PWS.ak 53万669件
  3. W32/Almanahe.c 47万3547件
  4. W32/Conficker.worm!job 45万6056件
  5. W32/Fujacks.remnants 41万6667件
  6. W32/Conficker.worm.gen.b 24万4412件
  7. Generic!atr 23万4826件
  8. Generic BackDoor.f 15万6186件
  9. PWS-Gamania.gen.a 13万4784件
  10. W32/IRCbot.gen.a 11万5205件

2009年 ウイルス検知マシン数 トップ10

  1. Generic!atr 5万2771件
  2. Generic PWS.ak 2万8407件
  3. W32/Conficker.worm!job 2万4453件
  4. W32/Conficker.worm.gen.a 2万4050件
  5. Generic.dx 1万5016件
  6. PWS-Gamania.gen.a 8393件
  7. Phish-FraudPay.eml 5403件
  8. Phish-BankFraud.eml.f 5174件
  9. PWS-Mmorpg.gen 4094件
  10. Obfuscated Script.f.gen 3873件

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