筆者は以前、3D画像を用いた新しいCAPTCHAの作成方法をブログで取り上げたことがある。ブロガーのTaylor Hayward氏が考案し、実現されれば最高にすばらしいだろうと考えていたものである。その3D CAPTCHAが今回、現実のものとなったようだ。しかし、実現したのはHayward氏ではない。
偶然にもソーシャルウェブサイトYUNiTi.comの運営者らが、これと同じ着想に基づいて数週間作業し、同ウェブサイト上にその方式を実装した。
同サイトは米国時間3月25日、3D CAPTCHAを作成したと発表した。人間には従来のものよりもずっと識別しやすいにもかかわらず、現在のコンピュータ技術では破ることはできないという。
CAPTCHAは、「Completely Automated Public Turing tests to tell Computers and Humans Apart(コンピュータと人間を区別する完全に自動化された公開チューリングテスト)」の略称である。入力がコンピュータにより生成されたものではないことを確認するための手段だ。
Hayward氏の発想と同様に、この新技術は、英数字の代わりに3D画像のオブジェクトを識別する人間の能力を利用する。相違点は、YUNitiの3D CAPTCHAでは、3つのオブジェクトを識別させる点と、Hayward氏の案ではオブジェクトを動物に限定していたのに対し、画像として任意のオブジェクトを使用する点である。これにより、テストの複雑さが増し、コンピュータが正解を推測できないようにする。
同ウェブサイトの新しいCAPTCHAを試用してみたところ、非常にうまく動作した。各オブジェクトのプレースホルダーをクリックするだけで、選択オブジェクト一覧が表示される。4回のマウスクリックで、初めての3D CAPTCHA認証にパスすることができた。
YUNiTi.comの共同創設者兼プライマリソフトウェアエンジニアであるMarcos Boyington氏はCNET Newsに対し、同氏と同氏の兄弟は、Taylor Hayward氏の方式については知らずにこれを考案したという。Boyington氏はこれを、世界の異なる場所にいる人間による同一概念の共同発見であったと信じているという。同氏は、Hayward氏との共同作業の可能性について話し合うため、同氏に連絡することを考えていると述べた。
この新しいCAPTCHAは、YUNiTi.comで体験することができる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス