米コンピュータ緊急事態対策チーム(US-CERT)がSAP GUIの脆弱性に関する警告を発した。SAP GUIは、独SAPの基幹業務ソフト(ERP)などの機能を利用するのに必要なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)クライアント。
脆弱性の詳細は明らかにされていないが、これが原因でMicrosoftのInternet Explorer(IE)ブラウザがクラッシュしたり、さらにユーザーの権限で任意のコードが実行されたりする可能性があるという。この脆弱性は、SAP GUIのコンポーネントであるMDrmSapと呼ばれるActiveXコントロール内に存在する。
US-CERTは米国時間11月10日更新のアドバイザリで、仮にユーザーがだまされて特別に作られたHTML文書を閲覧すると、外部の攻撃者がそのユーザーのシステムをコントロール可能になるという。
SAPは、SAP Note 1142431を通じてパッチを提供しているが、パッチにアクセスするにはログインが必要だ。
対処法としては、IEのCLSIDにkillbit(B01952B0-AF66-11D1-B10D-0060086F6D97)を追加して、MDrmSap ActiveXコントロールを無効化するか、あるいはIE のActiveXコントロールを完全に無効化してもらうなどの方法が挙げられる。
セキュリティ企業のSecuniaはアドバイザリの中で、この脆弱性の深刻度を、5段階評価で2番目に高いレベルであることを示す「Highly Critical(非常に危険)」としている。Secuniaによると、影響のあるSAP GUIのバージョンは、6.xと7.xの2種だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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