オーストラリアのGoogle社員であるKarina Wells氏が現地時間11月7日、オーストラリアの友人からFacebookでメッセージを受け取った。この友人はナイジェリアのラゴスで身動きがとれなくなり、帰国用の航空機チケットのため、500ドルが必要になったという。同氏に疑問を抱かせたのは、この友人が、「携帯電話」を「mobile」とオーストラリアでは表現するところで、米国の表現である「cell phone」を用いたことである。
The Sydney Morning Heraldによると、Wells氏は金融機関Western Unionを通じて送金したように見せかけて、この件を当局に通報した。
他のFacebookユーザーであれば、そこまで賢く振る舞えなかったかもしれない。今回のようなナイジェリアを舞台にした国際的な送金詐欺は電子メールでは一般的なこと。しかし、友人のアカウントが流出しない限り、ネットワーク内で友人からメッセージが送られてくるのが当然とされるFacebookで送金詐欺はまれである。
「ソーシャルネットワーキングサイトからの電子メールは、当初の段階でふるいにかけられることなく、われわれの電子メールアカウントに入り込みやすい。なぜなら、フィルターで弾かれるようなボットネットスパムの特徴(有害とされるIPアドレス、ヘッダーや電子メールの構成)がないからである」とセキュリティ企業SophosのシニアテクノロジコンサルタントであるGraham Cluley氏は自身のブログで述べる。
「しかし、今回の事件はさらにもう一歩進化している」と同氏は言う。続けて「人々が自分のコンピュータや個人情報の保護にもっと関心を払わなければ、より多くの犯罪者が、ネット上で友人と称し、罪のない人々から直接お金を奪うため、盗み出したFacebookの個人情報を用いる事態に直面するだろう」と述べる。
今回の教訓は、友人からのメッセージに思えるという理由だけで信じてはならないことと、何か行動を起こす前には、情報の真偽を確認することである。そして、PCには最新のウイルス対策を講じ、ファイアウォールとOSも最新の状態にしておかなければならない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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