メールの添付ファイルから感染、セキュリティ対策ソフトを押し売りする不正プログラムに注意

 独立行政法人 情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)は11月5日、10月のコンピュータウイルス、不正アクセスの届出状況をまとめ、発表した。セキュリティ対策ソフトの押し売り行為が増えているとして、注意を呼びかけている。

 ウイルス届出状況では、検出数が約27万個と、9月の約22万個から23.7%増えた。また、10月の届出件数は1839件となり、9月の1875件から1.9%減っている。

 不正プログラムの検知状況では、バックドアやスパイウェアなどの不正プログラムの検知件数が9月から増加している。10月にはセキュリティ対策ソフトの押し売り行為をする「FAKEAV」が急増した。これは、突然画面に「Warning!」や「ウイルスが発見されました」といった偽の警告メッセージを表示させ、セキュリティ対策ソフトを購入させようとするもの。FAKEAVに感染すると、ほとんどのケースで復旧には初期化が必要になるなど、深刻な被害が発生している。

 請求書などに見せかけたメールの添付ファイルを開くことで感染するケースが増えており、セキュリティ対策ソフトを常に最新の状態で使用していれば、メール受信時に検知して被害を防げるという。しかし、検知をすり抜けてしまうウイルスもあるため、ウイルスの特徴を知るなど日頃からの注意が必要であるとしている。

 10月の不正アクセスの届出件数は17件。そのうち12件は何らかの被害があった。内訳は、侵入4件、アドレス詐称が1件、その他が7件となっている。不正アクセスなどの相談受付状況では、不正アクセスに関連した相談件数は58件で、このうち7件は届出件数としてもカウントしている。また、このうち22件は何らかの被害があった。

 10月の相談受付件数は1171件であった。そのうち、ワンクリック不正請求に関する相談が305件(9月は651件)、セキュリティ対策ソフトの押し売り行為に関する相談が31件(9月は50件)、Winnyに関連する相談が5件(9月は4件)、情報詐取を目的として特定の組織に送られる不審なメールに関する相談が3件などとなっている。

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