トレンドマイクロは9月4日、2008年8月度の「インターネット脅威マンスリーレポート」を発表した。レポートによると、8月の不正プログラム感染被害の総報告数は6520件で、7月の6368件からやや増加している。
8月の感染被害報告数ランキングでは、USBメモリ関連の不正プログラム「MAL_OTORUN1」が5月以来、再び1位となった。これは、USBメモリを不特定多数の人間と共有したり、ウイルス対策がされていないコンピュータで使用したりすることで、不正プログラムの感染が繰り返されていることが要因と考えられる。使用前にはウイルス対策ソフトでUSBメモリをスキャンする必要があるとのことだ。
感染報告数ランキングでは、偽セキュリティソフト「TROJ_FAKEALER」や、ブルースクリーンの画面を表示してユーザーの不安感を煽る「JOKE_BLUESCREEN」がランクインした。「TROJ_FAKEALER」は偽の感染警告を画面上に表示し、ユーザーに対して偽セキュリティソフトの購入を促す。購入画面では、氏名やメールアドレス、クレジットカード番号などの入力が求められ、入力した情報は外部に送信される。
トレンドマイクロのサポートセンターにも、個人情報を入力してしまったユーザーからの被害が報告されており、この偽セキュリティソフト関連の不正プログラムの侵入を目的とするスパムメールが流通していることを8月初旬より確認しているという。このスパムメールには、不正なウェブサイトへ誘導するURLが記載されており、メールの件名や本文はハリウッドスターの動画の情報やCNNのニュースなど、ユーザーの興味を惹くものになっている。
不審なメールは開かず削除するとともに、感染警告が画面上に突然表示された場合には慌てず、使用しているウイルス対策ソフトのサポートセンターに問い合わせることや、周囲の人に確認することを勧めている。なお、攻撃者注力度ランキングやHoney Clientで取得した新規検体ランキングでは、オンラインゲーム関連の不正プログラム「TSPY_ONLINEG」と「TSPY_GAMETIEF」がランクインした。
2008年8月度の不正プログラム感染被害報告数ランキング上位は、1位が「MAL_OTORUN1」(143件)、2位がバックドアの「BKDR_AGENT」(104件)、3位がトロイの木馬型である「TROJ_RENOS」(103件)、4位がトロイの木馬型である「TROJ_GAMETHIEF」(98件)、5位がトロイの木馬型である「TROJ_LINEAGE」(96件)となっている。
また、2008年8月度の不正プログラム別の攻撃者注力度ランキング上位は、1位が「TROJ_ZLOB」、2位が「TSPY_ONLINEG」、3位が「TROJ_DLOADER」、4位が「TROJ_AGENT」、5位が「TROJ_DIALER」となった。
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