フォーティネットは4月2日、2008年3月度の「フォーティネットウイルス対処状況レポート」を発表した。レポートでは3月度のトピックとして「Pushdo」の動向を取り上げ、注意を呼びかけている。
Pushdoは、ソーシャルエンジニアリングの手法によって、eカードが送付されたことを伝えるメールに添付されて送られてくるトロイの木馬。1月には、出し遅れたクリスマスカードに添付されるかたちで大量送付が確認されていた。Pushdoが送付するメールにはeカードが添付されており、eカードの確認を促すような文面となっている。
ユーザーがうっかり添付ファイルを開いてしまうとPushdoに感染。HTTP経由でコントロールサーバにコンタクトし、データを取得する。また、稼働中のシステムプロセスを隠す働きのあるルートキットも導入されるという。その間、Windowsは「お待ちください」というアイコンを一時的に表示し、これらの動作を隠す。
3月にはPushdoの亜種が登場し、1カ月にわたって毎週日曜日に大量発生した。この亜種は、よくある名前の差出人名を使用し、ある女性が自分のヌード写真のアニメーションカードを添付してメールを送ってきたと書かれているという。添付ファイルは2000万人以上の会員を持つといわれる「Adult FriendFinder」からのファイルであるとされている。
添付ファイルを開くと感染し、さまざまなSMTPサーバーの間を巡回することで、さらなる複製が大量メール送信を引き起こす。また、ポート2581を使ってコマンド&コントロール(指揮統制)サーバに接続しようとするのだという。このコンポーネントには大量メール送信機能があり、これによって感染したパソコンは「Pushdoボットネット」に組み込まれ、遠隔操作により悪用されてしまう。
フォーティネットでは、eカードは本来メールに添付されるものではなく、メールの本文にカードを表示するためのリンクが書かれているものであること、そしてこのようなメールが届いても決して添付ファイルを開かないよう、注意を呼びかけている。
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