シマンテックは3月14日、「シマンテック月例スパムレポート」3月号を発表した。2カ月連続で全送信メールの約78.5%がスパムであり、2007年上半期(1月〜6月)の平均値であった61%よりも増加傾向にあるという。また、著名人やイベント、大手ブランドなどを利用したソーシャルエンジニアリングを原動力とする攻撃手法を確認したという。
スパムの傾向では、ホワイトハウスでの選挙戦が加熱するにつれて、スパム攻撃者はマイク・ハッカビー氏やバラック・オバマ氏、ジョン・マケイン氏などの大統領選挙候補者を悪用している。また、ヒラリー・クリントン氏のキャンペーン用ビデオへ誘導すると見せかけた、偽の悪意あるURLが確認されたことを皮切りに、マイケル・ジャクソン、へザー・ミルズ、インディアナ・ジョーンズなどのビデオへ誘導するとして、似たような悪意のあるURLを広めているという。
また、2月はバレンタインデーや米Super Bowl、President's Dayなど、スパム攻撃者が利用できるイベントや祝日に不自由しない1カ月。特に最近利用されたのは国際女性の日(3月8日)だったという。一方で、スパム攻撃者はSouth Airlinesのブランドをハイジャックし、受信者に無料航空チケットを提供するというスパムを繰り返し送信していた。
レポートではこのほか、ハイライトとして中国で発生した吹雪を利用し、運送会社と称して「吹雪のため荷物が配達されなかった」と偽るスパムを報告している。再配達を確認するとあるリンクが記載されているのだが、リンク先は商品の販促を行い個人情報の入力を要請する個人のブログにつながっていた。
同様に、香港を拠点とする映画スターでポップアイドル、エディソン・チャンのプライベート画像がインターネットに流出したスキャンダルが話題となったが、彼の名前をポルノスパムに含めることが商品を宣伝することに有効と考えた中国のスパム攻撃者を引きつけたことも紹介している。
このレポートは、シマンテックのSymantec Messaging and Web Securityチームによって作成されたもの。同社の世界規模コミュニティである「Symantec Global Intelligence Network」内にある「Symantec Probe Network」において、200万件のアカウントを使って世界20カ国から収集した電子メールメッセージをもとに、Symantec Security ResponseとAntiSpam Engineeringの専門家が分析し、特にスパムに関する傾向をまとめている。
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