トレンドマイクロはこのほど、11月度のウイルス感染被害マンスリーレポートを発表した。このレポートは、11月1日から11月30日までに、日本のトレンドマイクロのサポートセンターに寄せられたウイルス被害件数をもとにランク付けを行ったもの。
発表によると、11月のウイルス感染被害の総報告数は3535件と、10月の4950件から約3割の減少となった。しかし、ウイルスの発生や感染は沈静化の後に活発化する傾向もあり、クリスマスなどのイベントが立て混む年末に向けてウイルス感染被害が増加する可能性が考えられるため、警戒が必要としている。
ランキングは、トロイの木馬である「TSPY_ONLINEG」が41件で1位、「VBS_SOLOW」が30件で2位、バックドアである「BKDR_AGENT」が28件で3位となった。以下、「HTML_IFRAME」、「TROJ_SBITCH.A」、「BKDR_HUPIGON」、「VBS_SASAN」、「TROJ_DLOADER」、「TSPY_MARAN」、「JS_PSYME」と続いた。
11月には、アップルのMac OS Xを狙った不正プログラムは、これまで確認されてきたものは攻撃可能性を実証する目的のコンセプトウイルスばかりであったが、小規模ながら初めて実害を及ぼす目的で作成された「OSX_DNSCHAN.A」が確認された。この不正プログラムは、複数のアダルトサイトで「Mac環境で動画再生に必要なコーデック」と偽って配布されていた。
さらにこれらのサイトは、Windows OSからアクセスした場合にはWindows OS向けの不正プログラム「TROJ_ZLOB」がダウンロードされる、マルチOS対応の不正サイトになっていた。現在の目的志向の攻撃では、以前のようにシェアの大きいWindowsだけではなく、MacやLinuxも狙われ始めているとしている。
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