フィッシング詐欺を企てる犯罪者たちは、詐欺目的のリンクをさも正当なリンクであるかのように見せかけるため、悪意あるサイトに短いURLを使用している。
IBMのオンラインセキュリティ部門であるInternet Security Services(ISS)によると、最近、犯罪者らがフィッシング用のURLに使用している文字数が大幅に減少しているという。
ISSが運営するFrequency Xブログの記事によると、「これまでアナリストらが見てきた詐欺的なフィッシングURLに含まれるホスト名は、常に30〜37文字で構成されていた」が、「その傾向に大きな変化が見られ」フィッシング用のホスト名に使用される文字数は、ここ数週間で平均わずか17文字に減少したという。
最近、サイバー犯罪者が利用するソーシャルエンジニアリング手段は一段と高度化、巧妙化しつつあるが、今回発見された変化はその傾向がさらに進んだものだとISSのRalf Iffert氏は考えている。Iffert氏は、X-Force脅威分析チームの研究者で、Frequency Xブログの執筆者でもある。
「(詐欺師たちが)より短いURLを採用したのは、潜在的被害者らに(URLに対する)疑念を抱かせないようにするためのようだ」(Iffert氏)
また、ISSの上級IT専門家のSteve Reddock氏は、この傾向は今後さらに強まると見ている。「この傾向は数カ月前から見られ、決して一過性のものではない」(同氏)
Reddock氏によると、詐欺師たちはしばしば新たな技術の実験を行うが、実験期間はごく短期間だという。しかし今回の場合、詐欺の手段として短いURLを使用する手法がこれだけ長期間使用されているということは、この手法がサイバー犯罪者から良い事例と考えられていると見ていいだろう。
「サイバー犯罪者らの目的はあくまで金儲けだ。彼らのビジネスは非常に効率的だ」(Reddock氏)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス