OpenOffice.orgコミュニティーは、OpenOffice.orgのバージョン2.2をリリースした。同バージョンには、OpenOffice.orgのワープロソフトや表計算ソフト、プレゼンテーションソフト、データベースソフトに対するアップデートが含まれている。
同コミュニティーは、OpenOffice.orgが、「Microsoft Office 2007」の「真の代替物」であり、既存のMicrosoft Officeユーザーにとって、より容易に乗り換えられるものとなっていると説明している。
同コミュニティーはまた、米国時間3月30日にリリースされた新バージョンではセキュリティ問題を修正しているとも述べている。最近になって、OpenOffice.orgに存在する複数の脆弱性が発見されていた。米国国土安全保障省(DHS)は3月21日、重大な脆弱性を2件報告していた。この脆弱性は両方とも、ユーザーによる操作が必要とされていた。同コミュニティーの関係者によれば、これらの脆弱性はOpenOffice.org 2.2において修正されているという。
OpenOffice.orgは、「OpenOffice.org 2.2は、新たに発見された脆弱性からユーザーを保護する。これらの脆弱性は、ユーザーが悪意ある人物から送られたドキュメントを開いたり、そういった人物が開設したウェブサイトにアクセスすると、ユーザーのPCが攻撃にさらされる恐れがあった」と述べている。
同コミュニティーによれば、バージョン2.2では、テキスト表示の品質が向上していると述べる。例えば、プロポーショナルフォントで書かれたテキストの見た目を向上させる技術であるカーニングのサポートは、これまでのバージョンではオプションとなっていたが、2.2では標準で有効になっているという。
OpenOffice.orgは、Sun Microsystemsがその設立に貢献し、主要スポンサーとなっている。OpenOffice.orgがサポートしている標準フォーマットであるOpen Document Format(ODF)は、2006年5月に国際標準化機構(ISO)の標準として採用されたことで、実質的に世界的なオープンスタンダードとなった。
しかし、Microsoftも参加するグループによって開発された競合するオープンフォーマットであるOffice Open XMLもまた、ISOの認定を目指している。Office Open XMLは4月2日、ISOの認定を得るうえでの次の段階へと進んだ。ISOおよび、国際電気標準会議(IEC)における標準化団体のナショナルメンバーらによって、標準として認定すべきかどうかについて5カ月間にわたって投票が行われる予定。
Apple、Barclays Capital、BP、大英図書館、Essilor、Intel、Microsoft、NextPage、Novell、Statoil、東芝、米国議会図書館がOffice Open XMLプロジェクトに貢献している。
OpenOffice.orgは、フランス国会議員らがWindowsではなくLinuxを選択した件や、ODFを採用したマサチューセッツ州に続きカリフォルニア州もその採用を検討している件など、近ごろ世間の注目を集めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス