「Mac OS X」に存在する深刻なセキュリティ脆弱性が悪用された場合、Appleの「Safari」ウェブブラウザが稼働するマシンの制御権を部外者に奪われるおそれがあると、セキュリティ企業Secuniaが警告している。
同脆弱性とこれを悪用するための「コンセプト実証」コードは、「Month of Apple Bugs(MOAB)」プロジェクトの一環として米国時間1月10日に公開された。LMHと名乗るセキュリティ研究者がMOABのウェブサイト上で発表したところによれば、今回の問題は、AppleのOSの最新版である「Mac OS X 10.4.8」と、過去のバージョンにも影響を与える可能性が大きいという。
Secuniaが米国時間1月9日に出した勧告には、Macユーザーが「ダウンロード後、安全なファイルを開く」というSafariのオプションを有効にしている際、同脆弱性が悪用されると記されていた。同社はこの問題を、「きわめて深刻(highly critical)」と評価している。
過去1年間にわたり、セキュリティの専門家らはAppleのコードに含まれる「安全なファイルを開く」機能を調査し、同社がこのセキュリティホールを完全に修復できていない点を指摘してきた。同機能は、安全と考えられるファイルを自動的に開く機能である。Appleは2006年3月に、悪質なファイルやディスクイメージをダウンロードしようとしているユーザーにアラートを発する機能をSafariに追加している。
しかし、攻撃者は、ユーザーのシステムに侵入する悪質なアプリケーションを、安全な動画や画像ファイルのように見せかけて作ることも可能だと、セキュリティ専門家らは警鐘を鳴らしていた。
セキュリティ研究者はユーザーに対し、Safariの「安全なファイルを開く」機能を無効化するようアドバイスしている。
Appleの関係者はこうした指摘を受けて、次のように話している。「Appleはセキュリティ強化に真剣に取り組んでおり、ユーザーが攻撃される前に、脆弱性と考えられる問題を解決することを常としてきた。Macのセキュリティを向上させるフィードバックは、いつでも歓迎する」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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