Microsoftが著作権侵害の阻止を目的とした「Windows Vista」のアップデートをリリースした。
同社は米国時間12月14日、アップデートの目的が、OS内蔵の製品アクティベーション機能を回避して海賊版を利用できるようにする技術を締め出すことであると述べた。こうした不正技術の1つは、テストバージョンのVistaと正式版のコードを組み合わせてアクティベーションを回避しようとするもので、Microsoftではこのアプローチを「フランケンビルド」と呼んでいる。
Microsoftは「Windows Genuine Advantage」プログラムのブログに、「Windows Vistaではこの新しいWindows Updateクライアントが、『フランケンビルド』にのみ正規確認チェックを課す。不正なシステムの(プロダクト)キーはブロックしたため、これらのシステムはチェックを通らない」と書いている。
Vistaは企業向けには11月にリリースされているが、店頭に並ぶのは1月下旬になる予定だ。だが、インターネットにコピーが出回っており、内蔵のセキュリティメカニズムを回避するハッキングが行われたことも複数報告されている。
Microsoftによると、ほかにも、大企業が複数ライセンスのVistaをアクティベートできるように取り入れている仕組みと、仮想化技術を併用したケースの問題も浮上しているという。
Genuine Windows担当ディレクターDavid Lazar氏はCNET News.comに対し、「著作権侵害行為は進化しており、思っていた通り、Windows XPからWindows Vistaへと暗躍の場を移してきた。Vistaのライセンス要件を回避する手法は既にいくつか認識している」と語った。
Microsoftは声明で、今回の対応により、セキュリティメカニズムを回避しようと考えていた人が思いとどまってくれればと、期待をあらわにした。
同社は、「今回の対応で、著作権侵害者やその予備軍にMicrosoftのメッセージが伝わることに期待している。偽造製品の流通が拡大し、正規の顧客が被害を受けることのないようにしたい」と述べている。
Microsoftは2年ほど前から著作権侵害対策に力を入れており、ソフトウェアが適切にライセンスされたものであるかをチェックしている。Vistaでは、このような認証を通過しない場合、使用開始から30日後には機能が大幅に制限される。ウェブブラウザだけが1回につき1時間だけ利用できるといった具合だ。
もっとも、ユーザーはWindowsをこの機能削減モードのほかに、「セーフモード」で起動することもできる。これでデータやアプリケーションへのフルアクセスは可能になるが、画面の解像度や表示色数は制限され、大半のサードパーティー製ドライバも利用できなくなる。
14日に投入されたアップデートは「フランケンビルド」にしか対応していないが、Lazar氏によると、Microsoftは仮想化とMicrosoftの「Key Management Service」を利用するほかのハッキング手法についても防止手段を開発中だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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