Microsoftは米国時間11月30日、法人顧客向けに「Windows Vista」をリリースした。しかし、大半のセキュリティ企業は、Vistaに対応した保護ツールの発売までしばらく時間を要しそうだ。
Symantec、Trend Micro、CAのセキュリティベンダー3社は、依然としてVista対応製品の開発に取り組んでいることを各社の関係者が30日に明らかにした。大手セキュリティソフトウェアメーカーの中で、現時点ではMcAfeeだけがVista対応の製品を発売している。
「主要セキュリティベンダーが(Vista対応の)セキュリティソフトウェアを発売していないことも、企業がすぐにVistaへ移行しない理由の1つとなるだろう」と語るのは、調査会社Forrester ResearchのアナリストNatalie Lambert氏だ。その上、企業が事業運営に必要な複数の一般的なアプリケーションの多くもVistaをサポートしていない、とLambert氏は指摘する。
Microsoftは30日に、ニューヨークでVistaの発売開始のための発表会を開催した。同社が主要Windowsクライアントをリリースするのは、2001年の「Windows XP」の発売以来だ。Microsoftの発表に続き、Symantec、McAfee、Trend Micro、CAの4社が、各社のVista対応ソフトウェアを宣伝するニュースリリースを発表した。しかし、実際に製品の発売を発表したのはMcAfeeだけだった。
McAfeeの製品管理担当バイスプレジデントRees Johnson氏は、「大手セキュリティベンダーの中で、Vistaの発売後すぐにVistaをサポートする製品を発売したのはMcAfeeだけだ」と語る。同社によると、現在、「McAfee VirusScan Enterprise 8.5」と「McAfee AntiSpyware Enterprise 8.5」の2つの製品がVistaをサポートしており、いずれも現在発売中だという。
McAfee以外の大手セキュリティベンダー各社も、向こう数カ月以内に企業向けVista対応製品をリリースする予定だ。Symantecは、12月31日までに「Symantec AntiVirus Corporate Edition」のアップデート版のリリースを予定している。Trend Microは、2007年上半期に「OfficeScan」の新版を発売予定だ。またCAも2007年2月上旬までにウイルス、スパイウェア対策製品の発売を予定している。
Lambert氏は、「第1四半期末までにはすべてのベンダーがVista対応製品を発売すると見ている」とした上で、「しかし、その場合でも、Vistaの普及に相当時間がかかる」と語った。同氏によると、Forresterの予想ではVistaが普及するのは2008年以降だという。
たしかに一部の人々はVista対応セキュリティツールがないことを理由にVistaへのアップグレードを控える可能性があるが、大半の企業ユーザーにとってはVista対応セキュリティツールがないことは大した問題ではない、とLambert氏は指摘する。「企業はすぐにはVistaに乗り換えないので、これは大した問題にはならない」(Lambert氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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