Mac OS Xを稼働するシステムにひそかにインストールされ、ウェブブラウザのウィンドウを勝手に開くという新種のアドウェアプログラムについて、フィンランドのF-Secureが警告を発している。
F-Secureでは、Mac向けの初めてのアドウェアと見られる同プログラムを「iAdware」と呼んでいる。特徴は、特別な管理権限を必要とせずに、ユーザーのコンピュータに潜むことができる点だと同社は述べる。
F-Secureの米国時間11月23日付けのブログには「利用されている具体的な技術について、ここで公開するつもりはない。(悪用されているのは)バグではなくて機能だ。1つだけ言うとすれば、ユーザーの許可なくシステムライブラリがインストールされる設定は避けるべきだということだ」と書かれている。
このプログラムは概念実証コードとしてF-Secureに送りつけられたもの。ユーザーを標的にしたものはインターネットに出回っていない。
先のブログには、「このプログラムをユーザーのアカウントにひそかにインストールし、利用されるすべてのアプリケーションと連携させることが、理論上は可能である」と書かれている。「このサンプルでは、所定のアプリケーションすべてが利用されるたびに、Macのウェブブラウザも自動的に起動されているのが確認されている」(F-Secureのブログ)
Mac OS Xを標的とした悪質なソフトウェアは滅多に出回ることがなく、出回ったとしても、その種別は実際の攻撃を目的としたコードではなく、概念実証コードに限られていた。しかし、ハッカーたちがMacを狙い始めていることを示す兆候も現れ始めており、専門家らはMacが攻撃と無縁であるわけではないと述べている。
たとえば「Month of Kernel Bugs」キャンペーンの一環としても、Apple Computerのソフトウェアに関連した複数の脆弱性が明らかになっている。その最新のものは、20日に公開されたAppleTalkプロトコルに関するものであるが、その前の週には、パッチが公開されていないMac OS Xのディスクイメージ(DMG)ファイルに関して、エクスプロイトコードが公にされている。
本稿執筆時点では、この件に関してAppleからコメントを得ることはできなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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