Microsoftは米国時間11月14日、Windowsに関連した脆弱性8件に対応するパッチを公開した。これらの脆弱性のうち3件は、ユーザーによる操作を介さずに悪用される恐れがある。
同社は予告通り、月例パッチサイクルの一環として6件のセキュリティ情報を公開した。うち5件は、Microsoftの脅威度評価で最も危険性の高い「緊急」レベルに分類されている。セキュリティ情報MS06-069は、「Windows XP」とともに出荷されたAdobe Systemsの「Macromedia Flash Player」に関するものだが、そのほかはMicrosoft製ソフトウェアの脆弱性に対処するものとなっている。
Microsoftが公開したパッチはどれも、Windowsに関連したソフトウェアの脆弱性に対応している。修正されるセキュリティホールのうち3件が悪用されると、ユーザーはリンクをクリックするなどの操作を行わなくても、リモートからの攻撃を受けてしまう可能性がある。Microsoftの警告によると、残り5件は、ユーザーが悪質なウェブサイトにアクセスしたり、悪質なファイルを開いたりしない限り、攻撃者による悪用は成功しないという。
脆弱性管理企業Qualysのリサーチマネージャーを務めるAmol Sarwate氏によると、最も緊急度の高いのは、Microsoftの「Windows 2000」とWindows XPに存在する「Workstation Service」の脆弱性(セキュリティ情報MS06-070)だという。同氏は、「攻撃者は一般のユーザーに遠隔地から悪質なパケットを送りつけ、コードを実行できてしまう」と述べる。
Workstation Serviceは、ローカルならびにリモートのファイルシステムや、印刷ネットワークへのアクセス要求を処理している。これはWindowsにとって重要なパーツであり、無効にしたり、ファイアウォールで気軽に保護することはできないと、Sarwate氏は語っている。同氏は、「パッチを早急に適用することが唯一の解決策だ」と述べる。
MicrosoftのセキュリティプログラムマネージャーChristopher Budd氏は、この問題はWindows 2000の環境の方がより深刻だと述べる。「Windows 2000向けにはワームが出回るリスクがあるが、Windows XP Service Pack 2にはこうしたリスクがない」と同氏はいう。Windows XPでは、ファイアウォール機能を装備していることや、異なるネットワーキング技術が採用されているため、危険度が低くなっていると、Budd氏は語っている。/p>
ハッカーは、特殊なメッセージを作成し、これを脆弱なコンピュータに送信することでWorkstation Serviceの脆弱性を悪用できてしまう。Microsoftは、セキュリティ情報のなかで、「攻撃者によりこの脆弱性が悪用された場合、影響を受けるコンピュータが完全に制御される可能性があります」と述べている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス