「Windows PowerShell」をターゲットとした悪意のあるコードを、オーストリアのウイルス作成集団が開発した可能性がでてきた。Windows PowerShellはMicrosoftが開発しているコマンドラインインターフェースのシェルスクリプト言語である。
セキュリティ企業McAfeeは今週、「MSH/Cibyz」という名のワームを検出したと警告を発した。
MSH/Cibyzはファイル共有ネットワークKazaaを利用して繁殖するように設計されており、2006年後半に出荷予定のPowerShellで動作する。PowerShell(開発コード名「Monad」)は、Exchange Server 2007など今後のMicrosoft製品の基盤となるものである。
同ワームはPowerShellの特定のセキュリティホールを狙ったものではない。ユーザーに悪意のあるコードをダウンロードおよび実行させることで、同製品のスクリプト実行機能を攻撃する。そのために、MSH/CibyzはKazaaユーザーの興味を引きそうな製品名を利用する。不注意にMSH/Cibyzを実行すると、一部のファイルタイプが上書きされ、レジストリの内容が書き換えられる。そして、MSH/Cibyzは、マシンのKazaa共有フォルダに自身を格納し、繁殖を試みる。
このような脅威はPowerShellだけに向けられているわけではなく、何年も前から存在する。このような動作をするワームならば、ほとんどの市販のマルウェア保護ソフトで検出および駆除できる。McAfeeは、同社のセキュリティソフトウェアにより保護することはできるが、ユーザー自身もPtoPネットワークからファイルを受信する際には注意する必要があるとしている。
MSH/Cibyzの開発に関わったのは、2005年夏のPowerShellをターゲットとしたウイルスを開発したグループではないかと推測されている。F-Secureはこれを「Vistaをターゲットとした最初のウイルス」と発表し、批判を受けた。当時、PowerShellはVistaに含まれる予定であったが、後にMicrosoftがVistaとは別のリリース予定を発表していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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