Microsoftは、同社のセキュリティソフトウェアビジネスにはずみをつけようと、再販業者に対して、従来の手数料はそのまま提供したうえで、さらにライセンス金額の20%を支払う予定だ。
このインセンティブは、同社が米国時間7月12日にボストンで開催する「Worldwide Partner Conference」で発表予定の「Microsoft Security Software Advisor Program」の一環として提供される。Microsoftは、同社のCRM(顧客関係管理)ソフトウェアである「Microsoft Dynamics CRM」でも同様のプログラムを実施している。
Microsoftのセキュリティ、アクセス、およびソリューションに関する部門で製品管理マネージャーを務めるSteve Brown氏は、「われわれの目標は、業界においてセキュリティパートナー企業の優れたエコシステムを構築し、顧客がわれわれのセキュリティ製品である『Forefront』で最高のエクスペリエンスを得られるようにすることだ」と述べるとともに、「われわれが実施する予定のこのプログラムは、かなりユニークなものだ」と述べた。
Brown氏によれば、Microsoftは、前述のインセンティブに加えて、パートナーに対するマーケティングだけではなく、パートナーに対するトレーニングとサポートを行うために1500万ドルの予算を確保しているという。同氏によると、この額は今後12カ月に対するものだという。
セキュリティソフトウェアは、CRMアプリケーションと同様、Microsoftにとっては取り組み始めたばかりの比較的新しい分野である。同社ではこうした製品の売上のほとんどがサードパーティーを通じてもたらされるため、パートナーの販売を奨励することは極めて重要なのである。
Microsoftが2006年6月に発表したForefrontは、同社の最新またはリリース前の企業向け各種セキュリティ製品に付けられた統一ブランド名だ。同社はセキュリティ製品を企業向けに拡充し、新しい収入源を確保しようとしており、今回の発表はそうした一連の動きの一部である。調査会社IDCの調べによると、セキュリティソフトウェアの売上は、2005年、120億ドルに達したという。
Forefront製品の一部として、新たに「Microsoft Client Protection」が開発されている途中であり、「Antigen for Exchange」と「Antigen for SharePoint」のアップデート版もForefrontの名を冠することになる。さらには、「Antigen for Instant Messaging」と、ファイアウォールおよびWebキャッシングソフトウェア「ISA Server」もForefront製品ラインに組み込まれる予定だ。
Microsoftの最高経営責任者(CEO)Steve Ballmer氏は、パートナーのために7月11日に行われたイベントにおけるスピーチで、セキュリティは、新たなビジネスチャンスを求めて同社が力を入れている分野の1つだと語った。
新たなSecurity Software Advisor Programは、Microsoftのパートナープログラムに参加しており、セキュリティの専門家である、あるいはその資格を持つメンバーに対して提供される。さらに、Microsfotによって買収されたSybari Softwareのパートナーと、競合他社の上位プログラムに参加しているメンバーも同プログラムに参加する資格があるとBrown氏は述べている。なお同氏によれば、参加資格のある企業は約3100社だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス