Yahooは、オンライン上の詐欺や児童虐待といったサイバー犯罪に対する対策として、業界の自主規制に加え、「有効な」法制定も必要であると主張している。
インターネットサービス大手のYahooは米国時間3月30日、政策立案者に対し、ある行為が違法行為となる理由についてではなく、技術の違法使用の定義付けに重きを置いて議論するように求めた。
Yahoo Europeのプロダクトオペレーション担当ディレクターRobin Pembrooke氏はZDNet UKに対し次のように語った。「何が合法で、何が違法かを定義付けることが政策として有効だ。ある行為が違法となる根拠について立法化すると、硬直性が生じ、技術(の進歩)に対し法制定が後手に回ることになる」
またPembrooke氏は、国際法制の欠如が事態をさらに複雑化させると付け加えた。同氏は、「国際法の制定は非現実的だが、国際的一貫性は必要だ」と述べ、さらに「1つの例として、『児童虐待』を扱ったコンテンツが挙げられる。これらのコンテンツは、米国と英国で定義が異なる」と指摘した。
Pembrooke氏は、法制定とインターネット企業の自主規制を組み合わせたサイバー犯罪対策を提唱した。
「業界が一致団結した好例がいくつかある。例えば、Internet Watch Foundationは、業界の出資で運営されている。法がなくても、この手法で、過去5年間に複数の素晴らしい成果が達成された」とPembrooke氏は語った。
世界的な枠組みの必要性
国際刑事警察機構(ICPO)のある職員もPembrookeの意見に同意し、各国間の証拠転送の容易化や、応答時間の短縮に向けた世界的な法的構造を整備するよう求めた。
ICPOのFinancial and High Tech Crime Sub-Directorateの犯罪情報担当Bernhard Otupal氏は、「(Pembrookeの主張は)完全に正しい。過剰な法制定は避けるべきだ」と述べ、さらに次のように続けた。「欧州連合(EU)には、大変多くの異なる技術に対応した規則が存在する。われわれに必要なのは、真の国際法制であり、世界的な法的枠組みだ」
「大手企業が社内規定を制定し、自主規制を行うことも有効であり、必要不可欠な対策だ。しかし、自主規制だけは不十分であり、法制定と自主規制の両方が必要だ」(Otupal)
Yahooは、過剰な法制定は同社の顧客のニーズと相容れないとし、顧客のニーズと政府のニーズとのバランスを取る必要があると主張した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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